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【朝礼で活きる名言・格言】“売れる”モノづくりを実現する「盛田昭夫」の名言・格言

朝礼で活きる名言・格言_盛田昭夫

モノづくりを事業とする会社なら、社員から独創的な製品案を引き出したいことでしょう。しかし、画期的なアイデアを生むには努力を積み重ねるだけでなく、発想の転換も必要となります。

ソニー創業者の故・盛田昭夫氏の言葉は、日々モノづくりに奮闘する社員に気づきを与えてくれるはず。盛田氏は、世界から粗悪品だと思われていた日本製品を「丈夫で機能的な一級品」へとイメージチェンジさせ、日本のモノづくりを変革させました。

故・スティーブ・ジョブズ氏も尊敬した盛田氏の経営手法は非常に革新的で、アップルやグーグルといった世界的企業も参考にしたほど。そのエッセンスを社員に伝えることで、大きなイノベーションが生まれる契機としましょう。

「我が社のポリシーは、消費者がどんな製品を望んでいるかを調査して、それに合わせて製品を作るのでなく、新しい製品を作ることで彼らをリードすることにある」

ソニーを代表する革新的な商品に、世界的ヒットとなった「ウォークマン」というカセットテーププレーヤーがありました。それは元々、共同創業者である故・井深大氏の「音楽を常に持ち歩きたい」という望みをヒントにして生まれた商品でした。これに盛田氏は「ニューヨークでも東京でも大きなテーププレイヤーやラジオを肩に乗せて、がんがん響かせている若者をよく見かけていた」ことを思い出し、この商品は売れると確信したのです。

さっそく盛田氏は既存の「プレスマン」という小型カセット・テープレコーダーから録音回路とスピーカーを抜き取り、小型ヘッドホンで聞けるよう改良を命じました。ただ、当時は小型で音楽を再生するだけの機械はありませんでした。ソニー内部でも「録音機能のない商品は売れない」と強く反論され、再生機能に絞るというアイデアはまるで賛同されませんでした。

しかし、盛田氏は「若者にヒットする」と信じて商品化を断行。若者向けの価格に設定し、ヘッドホンをしていてもボタン操作で二人で会話ができるようにするなど工夫を重ねて世に送り出しました。再生専用だからこその優れた音質が消費者の心を動かし、結果的にウォークマンは後世に残る記録的な商品となったのです。

その根底には、盛田氏の技術者としての信念が流れています。それは「消費者はどんな商品が技術的に可能か知らない。だから、我々は新しい製品とその用途について検討し、市場を開拓していくことを考えている」という矜持。消費者の意見やデータにただ頼るのでなく、その奥にある本当のニーズを生み出すモノづくりが重要です。

朝礼で伝えたいポイント:消費者の“半歩先”を心掛ける

・消費者のニーズの本質を捉える
・常識に囚われない
・専門家として新たな可能性を模索し続ける

朝礼での活用例

みなさんは、ソニーの創業者である盛田昭夫さんをご存知でしょうか? アメリカの「TIME」誌で「20世紀の20人」に日本人で唯一選出された方です。

そんな盛田さんが著書に記した“モノづくりの極意”をお伝えしたいと思います。

「我が社のポリシーは、消費者がどんな製品を望んでいるかを調査して、それに合わせて製品を作るのでなく、新しい製品を作ることで彼らをリードすることにある」

この言葉を証明するのがソニーのウォークマンです。当時は録音機能付きのプレーヤーが一般的でした。しかし、盛田氏は若者が「音楽をいつでも気軽に聴ける」ことを望んでいると見抜き、再生機能だけに絞った小型化プレーヤーを商品化しました。

結果、ウォークマンは世界中で大ヒット。それは、録音機能を省いて再生機能に特化するという当時の“常識破りのアイデア”が、多くの人に支持された証でした。

お客様の意見は確かに重要です。しかし、それを言葉通りに受け取るだけではいけません。肝心なのは、本当にお客様が欲しているものは何かということ。

プロとして、お客様が言葉にできないニーズを汲み取ってください。そうすれば今までにない、画期的なアイデアが浮かぶかもしれません。

「好むと好まざるにかかわらず、変化は永遠に続くものである」

盛田氏は日頃からソニー社員に「変化のスピードについて行く方法をなんとしてでも身につけ、競争を有利に導くよう要望し続けている」と著書で説明しています。その理由について「時代の変化を逆行させたり、抑えたり、スピードを緩めたりすることはできない」と語っています。

また、別のインタビューでは「われわれを取り巻く状況は刻一刻と変わっている。今までやってきたことも、今やっていることも、すべて正しいと思わないでほしい。時代、時代に求められる発想をすることが大切」と話していました。

つまり、変化し続ける市場に対応し、未来を見据えたモノづくりを求めていたのです。優れたアイデアを出すのは当然のこと。ビジネスにおいては先鞭をつけるスピード感と時代の流れを掴む力が欠かせないと、盛田氏は考えていました。

モノづくりの世界では、一つの考えに固執することは好ましくありません。変化を恐れず柔軟な発想で、その時々でのベストを尽くすこと。それをせずしてイノベーションは決して生まれません。

朝礼で伝えたいポイント:モノづくりも時代に合わせて変えていく

・消費者のニーズは変わり続ける
・未来を見据えて最善を模索する
・既存の考え方や方法を鵜呑みにしない

朝礼での活用例

本日はモノづくりをする上で心に留めておいて欲しい考えをお話します。それは、私が経営者として尊敬する盛田昭夫さんの言葉です。

「好むと好まざるにかかわらず、変化は永遠に続くものである」

同時に盛田さんは「今までやってきたことも、今やっていることも、すべて正しいと思わないでほしい。時代、時代に求められる発想をすることが大切」だとも仰っていました。

これは、当然と言えば当然のことです。しかし、みなさんはそんな変化を身近な出来事として捉えていますか? 

例えば、新しい時代に備え、お客様にどのようなモノを提案していくのか、ぜひ一人ひとりに考えていただきたい。そして既存の方法が古くなったら、時代に適したアイデアをどんどん提案してください。

どんなに大変でも、私たちも時代に合わせて変わり続けなければなりません。それはモノづくりのプロとして必要不可欠な条件だと、私は思うのです。

「独自の技術を開発しユニークな商品を作るだけでは、事業は成り立たないと思い知った」

イノベーションをいくつも生み出してきたソニー。しかし、そんな画期的な発明より、盛田氏はあることを重視していました。それは「売れること」です。

そう考えるようになった契機は、1950年に販売した日本初のテープレコーダー「G型」の失敗です。当時からすると画期的な商品でしたが、誰一人買おうとする人はいませんでした。16万円と当時においては相当な高額商品であり、その価値が市場にまったく伝わっていなかったことが販売不振の原因だったのです。

そこで「大切なことは商品を売ることだった」と悟った盛田氏。以降は企画や開発は共同創業者の井深大氏に任せ、自身は会社のセールスとマーケティングを担うことにしました。

こう伝えると「営業が重要だ」と思われるかもしれませんが、それは半分正解で半分間違いです。モノづくりにおいても「セールスポイントが誰からも明白であること」が重要。消費者のニーズに沿った、他にない価値を提供することがヒットを生み出す近道なのです。

朝礼で伝えたいポイント:商品の価値がわかるからモノが売れる

・「画期的」であるより「売れる」ことが大切
・商品の価値が伝わらなければモノは売れない
・商品のセールスポイントを明白にすること

朝礼での活用例

盛田昭夫さんの著書で、非常に感銘した言葉がありました。

「独自の技術を開発しユニークな商品を作るだけでは、事業は成り立たないと思い知った」

盛田さんは日本初のテープレコーダー「G型」が売れなかったことをきっかけに「大切なことは商品を売ること」だと考えるようになったのです。

商品を買ってもらうためには、その価値が顧客に伝わらないといけません。「価値が伝わらないと売れない」。これは、モノづくりにおいても同様です。セールスポイントが明確でない、価値が伝わらない商品はお客様に選ばれません。

みなさんは日々、素晴らしいモノを作っています。しかし、そこから一段洗練した「売れる」アイデア、モノづくりを目指してください。その奮闘に負けないくらい、私も商品の魅力を伝えられるようセールスを頑張りたいと思います。

モノづくりは「お客様を喜ばすこと」が大原則

盛田氏は技術者でありながら、非常に優れたビジネスマンでした。「発明発見は大切なものである。しかし忘れてはならないことは、それをどうビジネスに結びつけていくかということだ」。技術を競うのではなく、消費者を徹底的に意識したからこそ革新的なモノづくりを実現できたのです。

その証として盛田氏は次のような言葉も残しています。「私たちは世界中のお客様に“新しい”楽しみや喜びを提供しようと、新しい商品を作り出してきた」。お客様を第一とする盛田氏の考え方を社員に伝え、社内に浸透させてみてください。これまでにないアイデアが飛び出し、事業の成長も促されることでしょう。

盛田昭夫(もりたあきお) 1921-1999
享年78歳。ソニー ファウンダー(創業者)・名誉会長。1946年に井深大とソニーの前身である「東京通信工業」を設立。技術者でありながら卓越した営業力で、トランジスタラジオやウォークマンなどをヒットに導く。ソニーのマーケティングやブランド認知にも大きく寄与し、ソニーを世界的な企業へと成長させた。

参考図書
「[新版]MADE IN JAPAN わが体験的国際戦略」盛田昭夫/下村満子|PHP研究所 
「盛田昭夫語録 ―世界が舞台の永遠青年」ソニーマガジンズビジネスブック編集部|ソニーマガジンズ
「盛田昭夫ライブラリー」
「Sony History」|ソニー