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【朝礼で活きる名言・格言】社員の挑戦を引き出す「本田宗一郎」の名言・格言

社員の挑戦を引き出す「本田宗一郎」の名言・格言

社員一人ひとりのやる気を高めて、どんどん新しいことに挑戦する風土を社内に醸成したい。そんな時、朝礼で社員に向けて何を話すべきか……。そんな悩みをお抱えなら、故・本田宗一郎氏の言葉に激励の極意を学んでみませんか?

本田氏は一流の経営者ですが、かつては“カミナリオヤジ”とも渾名されていました。もし現代に本田氏が蘇って辣腕を振るったなら、パワーハラスメントと揶揄されるかもしれません。

しかし、その言葉が単なるハラスメントであったなら、本田技研工業は世界を股にかける企業に成長することはなかったでしょう。彼の言葉には社員への愛、製品やサービスへの情熱があり、それが社員を奮起させて数多のチャレンジを生んだのです。その誠意ある言葉と事例を、ぜひ朝礼やスピーチにご活用ください。 
 

「私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎない」

本田宗一郎氏は浜松の裕福とはいえない民家に生まれました。東京の自動車修理工場に丁稚奉公した後、のれん分けによって浜松に自らの自動車修理工場を立ち上げます。

当時の従業員は若者ひとり。そこから創業社長として、後の本田技研工業を「世界のホンダ」にまで成長させました。そんな彼にして「成功したのは全体の1%だ」と言うのです。本田氏が経営の一線から身を引いたのが65歳のとき。その十年前に残したのがこの言葉ですが、これは決して謙遜ではありません。

なぜなら、技術者である本田氏は「失敗を積み重ねることが成功への王道である」ことを、身をもって知っていたからです。日本を代表する経営者のひとりでさえ「成功は1%」と断言するのですから、失敗を恐れていては事を成すことが叶わないのは自明の理。まさに本田氏ならではのメッセージといえます。

言われたことを100%こなせる優秀な社員でも、指示以上のことにチャレンジしないケースは珍しくありません。特に、優秀な若者ほど失点や失敗を嫌う傾向にあります。もし社員に尻込みする傾向があるなら「失敗は成功への過程に過ぎない」ということを本田氏のエピソードを参考にして伝えるとよいでしょう。

朝礼で伝えたいポイント:失敗は成功の母である

・著名な経営者でさえ「成功は全体の1%」と言っている
・失敗の積み重ねが成功に繋がる
・失敗を恐れていては成功は遠のく

朝礼での活用例

おはようございます。
仕事をしていくなかで、ときには失敗することもあると思います。どうですか、みなさん?
ここ最近失敗した方がいたら、手を挙げてみてください(挙手を待つ)。

……今、手を挙げられた方は優秀な社員だと思います。
なぜ、そのように私が思ったのか。自動車やバイクを生産する「ホンダ」の創業者である本田宗一郎さんは生前、こう言いました。

「私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎない」

小さな自動車工場を世界的企業に育てた方ですら、成功は1%に過ぎないと断言するのです。

失敗には2種類の失敗があります。ひとつは怠惰や不注意による失敗。もうひとつはチャレンジによる失敗です。
しかし前向きな気持ちから生まれた失敗には、成功のヒントが隠されているものです。

失敗を恐れず、また仮に失敗したとしても「成功のために、この失敗から何を得られるか」という視点を持ちましょう。
日々、何かひとつでも良くしていこうという気持ちで、ぜひ業務に取り組んでいってください。

「人間である以上、頭を使って働け」

クルマに傾倒した本田氏らしい、人間の労働能力を馬力に換算するユニークな発言があります。それは「人間が一日コツコツ働く能力はといえば、驚くなかれ20分の1馬力に過ぎないのである。(中略)わかりやすく説明すると、40ワットの電気扇風機のモーター出力と同程度である」というもの。

これは、人間の能力を過小評価するために言ったのでありません。本田氏は「馬力にすれば20分の1程度だからこそ、人間には考える能力が大切である」と考えていました。漢字の「動く」に人べんを付けて「働く」と書きますが、扇風機のように「動く」だけでなく、人らしく工夫を凝らすことが大切。そうなれば20分の1馬力どころか、無限大の能力や可能性が生まれると断言したのです。

言われた通りにただ「動く」のか、それとも自律して「働く」のか。本田氏の言葉を借りて、その違いを考える機会を設けるのも有意義なことではないでしょうか。同時に、社員が自分のアイデアを実践できる機会を与えることも大切です。

朝礼で伝えたいポイント:考え続けることが成長への近道

・今の仕事を見つめ直すことで、可能性が広がる
・同じ能力でも工夫次第で、成果を向上させられる
・考えることによって生まれる可能性を大切にする

朝礼での活用例

私が感銘した本田宗一郎さんの言葉を紹介したいと思います。「人間である以上、頭を使って働け」です。

このように言うと、厳しい言葉に聞こえるかもしれません。まるで日々頭を使ってないみたいじゃないかと。しかし、この言葉の真意は別のところにあります。

本田さんによると、人ひとりがコツコツ働いたときの労働力というのは「1日で、せいぜい20分の1馬力くらいがいいところ」と言うのです。20分の1馬力とは40ワットの電気扇風機のモーター出力と同程度なんです。これは多いと思いますか? 少ないと思いますか?

……扇風機と同じ、と思うと少なく感じる方もと思います。これに対し、本田さんは次のように続けました。

「馬力にすれば20分の1程度だからこそ、人間は考えることが大切である」と。漢字の「動く」に人べんを付けて「働く」と書きますが、扇風機のように「動く」だけでなく、人間らしく工夫を凝らすことが重要だと訴えたのです。

考えること。それによって無限大の能力や可能性が生まれます。言われたことをそのまま実行するのでなく、常に創意工夫を心がけて、イキイキと働いてください。

「能ある鷹は爪を磨け」

本田氏は「能ある鷹は爪を隠す」のは時代錯誤だと言い切ります。謙虚を美徳とするのが日本文化ですが、それが曲解され、企業においても実力のある専門家がその手腕を示さないのは困った風潮だと考えました。

本田氏は「エキスパートであるという自信があれば、何も恐れることはない」という信念から、ホンダにおいても各分野のエキスパートを見出す制度を奨励しました。若者が古い価値観に捉われることなく、失敗を恐れず爪を磨き=エキスパートになって能力を発揮できる環境を作ったのです。

さらに本田氏はよく「能ある鷹は爪を出せ」とも言っています。つまり実績を残すことが大切だとも念を押しているのです。この言葉もまた、社員の能力を引き出すきっかけになりました。

最近では「爪痕を残す」といった言葉が「人の記憶に残す」や「大小にかかわらず実績を上げる」ことに例えられています。実績を積み上げようという向上心があるからこそ、人はチャレンジをするものです。社員一人ひとりをエキスパートに育てるために、この言葉を贈ってください。

朝礼で伝えたいポイント:向上心を持って仕事に取り組む

・実績の大切さを伝え、社員の向上心を育む
・能力を発揮することに遠慮していてはいけない
・足りないスキルがあれば積極的に身につける

朝礼での活用例

本田宗一郎さんの言葉にこのようなものがあります。
「能ある鷹は爪を磨け」。

「能ある鷹は爪を隠せ」という言葉は聞いたことがあると思いますが、本田さんは「爪を磨け」、さらには「爪を出せ」と言いました。

日進月歩の世の中にあって、もはや爪を隠す必要はありません。持っている能力をどんどん使う。足りないところがあれば自ら切磋琢磨して磨く。そうすることによって、成功に近づくのです。

ぜひ皆さんにも爪を磨き、爪を出していただきたい。そして、いずれは世の中に大きな爪痕を残してください。
大きな実績を、たくさんの実績を積み上げることが、皆さんの人生を豊かにしてくれます。

経営者だからこその言葉が、共感と挑戦を引き出す

本田宗一郎氏が残した名言・格言は枚挙にいとまがありません。部下を叱咤激励するのに引用したくなる言葉がいくつもあります。

それらは優れた経営者の言葉であるだけでなく、そこに裏打ちされた品質や性能に対する妥協なき姿勢が、今もなお支持されているからに他なりません。そんな本田氏の熱意を、事業の方針と重ね合わせて社員に伝えてみてください。さらなる邁進と奮起を促す起爆剤となるかもしれません。

文=オンデック情報局

本田宗一郎(ほんだそういちろう) 1906-1991
享年84歳。本田技研工業株式会社創業者。東京にて自動車整備工として働きながら技術者の素養を蓄え、モータースポーツに強烈な想いを抱く。独立後、好調だった整備工場を売って、ピストンリング製造会社を立ち上げる。戦後は自転車に取り付ける原動機やモーターバイクを開発・製造。常に現場で陣頭指揮を執り、クルマの開発・製造も成し遂げる。同時にモータースポーツの頂点であるF1でも輝かしい戦績を収めた。晩年は技術者としても経営者としても一線を退き、後進に道を譲ったことでも知られる。

参考図書
・本田宗一郎「本田宗一郎 夢を力に 私の履歴書」(日経BP)
・本田宗一郎「俺の考え」(新潮社)
・本田宗一郎「やりたいことをやれ」PHP研究所
・岩倉信弥「1分間本田宗一郎 常識を打ち破る人生哲学77」(ソフトバンククリエイティブ)