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【朝礼で活きる名言・格言】著名なCEOの組織づくりを支えたビル・キャンベルの名言・格言

朝礼で活きる名言・格言_ビル・キャンベル

アップルのスティーブ・ジョブズ、グーグルのエリック・シュミット、アマゾンのジェフ・ベゾス……シリコンバレーの名だたるCEOを成功に導いたビル・キャンベル氏。その名前は、今も語り継がれています。

キャンベル氏が彼らに与えたのは、事業計画でも投資アドバイスでもありません。相手の内側にある答えを引き出す「コーチング」でした。必要なリーダーとしての在り方にフォーカスし、各CEOと膝を突き合わせながら直面する問題を二人三脚で解決。組織を強固にしていったのです。

氏のコーチングは、実は「個」より「組織」を優先する日本にこそフィットする内容でした。2016年に彼が逝去した後も多くの社長やリーダーに受け継がれ広がるキャンベル氏の金言。貴社の組織づくりにも取り入れてみてはいかがでしょうか。
 

「どんな会社の成功を支えるのも、人がすべて」

経営者や支配人、局長、あらゆるマネージャーの最優先課題とは? 売上を伸ばす、新規顧客を獲得する、顧客満足度を得る……会社にとってさまざまですが、つまるところ「目標の達成」でしょう。

ところがキャンベル氏はそう結論づける前に、当時グーグルにいたジョナサン・ローゼンバーグ氏やエリック・シュミット氏に「どんな会社の成功を支えるのも、人がすべて」と語ります。会社は人がすべて。だからこそ、マネージャーの最優先課題は組織における人と人のコミュニケーションにあると考えたそうです。

優秀な人材が5人集まってもコミュニケーションが欠如していれば1+1+1+1+1=5にしかなりません。しかし、お互いの敬意や信頼関係がある組織においては、単なる足し算を超えた10、20、30といったパフォーマンスさえ期待できると教えたのです。

朝礼で伝えたいポイント

・コミュニケーションの円滑化こそリーダーの仕事
・組織内のコミュニケーションこそが目標達成の近道
・強固な組織は個の集まりを超えたパフォーマンスを発揮

朝礼での活用例

名だたるCEOをコーチングしたビル・キャンベルさんをご存知でしょうか。会社のトップに「コーチ」するというのはピンとこないかもしれませんが、日本風にいえば「師」のような存在と思えばわかりやすいでしょう。

そのキャンベルさんは「組織の成長と成功はすべて人にかかっている」と言いました。人がすべてであると。当たり前のことで、何を今さらと思った方もいますよね。ただ、肝心なのは考え方でなく、人重視を「どう実践するか」だと私は思います。

たとえば、このように実践する方がいました。毎週月曜の定例ミーティングに「旅の報告」を取り入れたそうです。ミーティングの本題に入る前に、先週末にあったことを一人ひとり話すようにしたのです。

そうすることで、どんな変化があったでしょうか? メンバーどうしが業務上の関係でなく、個人として、一人の人としてお互いを強く認識するようになったのです。そして本題に入った時に、意見のすり合わせがとても潤滑になったといいます。

強い組織は個の集まりを超えたパフォーマンスを実現するといわれています。人と人のコミュニケーションを円滑にするために、自分なりにアレンジして何か実践してみてはいかがでしょうか。

「もっと耳を傾ければ誰もが今よりずっと賢くなれる」

コーチングと聞くとアドバイスする姿が浮かびますが、キャンベル氏は話を聞く達人として知られています。人の話を聞くときに、スマートフォンに目をやったり、時計の時間を気にしたり、どこか上の空で話を聞くというようなことが、一切なかったそうです。

「もっと耳を傾ければ誰もが今よりずっと賢くなれる」と考え、話をする相手に全身全霊で耳を傾けていることを伝える姿勢を貫いていたのです。そうすることで、どのような議論でも「話をしっかりと聞いてもらえる」と話す側は安堵感を得ます。おのずと信頼関係が醸成されていったといいます。

ただ、黙って聞いていたわけでもありません。話を聞いてからキャンベル氏は山のような多くの質問をしたといいます。その質問から、話す側は自分の話にどれほど深い興味を持ってもらえているかの実感を深めます。さらに質問に答えることで、問題の本質が徐々にフォーカスされていったといいます。

もちろん、キャンベル氏は相手の話を途中で遮って、質問をぶつけるなどといったことは決してしませんでした。いかに今この瞬間に話しやすい環境を整えることが、相手のより良いパフォーマンスを引き出すか知っていたのです。

朝礼で伝えたいポイント

・日々の報告業務でも良好なコミュニケーションが大切
・忙しくても部下の話には全力で耳を傾ける
・話を聞くことが相手の思考能力を引き出す

朝礼での活用例

高名なCEOをコーチングしたことで知られるビル・キャンベルさんは、あれこれアドバイスするのではなく、とにかく話を聞くことに長けていたそうです。

私を含め、部長や課長など管理職の皆様は一日に何度も業務の報告を受けることが当たり前です。そんな時、忙しいからと書類に目を通したまま相手の目を見ずに話を聞いたり、PCのメールをチェックして他のことを考えながら聞いたりしたことはありませんか?

誰でも一度や二度はそういったことがあるでしょう。実は私もしたことがあります……(笑)。しかし、これは本来やってはいけないこと。常態化している人は要注意です。

また、相手の話を先回りして話が終わっていないのに話し始めてみたり、結論づけてみたりといったことはないでしょうか? こういったスタンスは、お互いの信頼関係を傷つけるだけでなく、話す側のモチベーションを低下させることになります。そして、考える力も奪ってしまいます。

キャンベルさんは「もっと耳を傾ければ誰もが今よりずっと賢くなれる」といったスタンスを貫いていたそうです。私を含め、皆さんも、そういった姿勢を見習いたいものですよね。

「すべきことを指図するな」

キャンベル氏は歯に衣着せぬ語り口でも知られていました。自分の考えを率直に言ったそうです。それは、話す相手に正直さや誠実さを求めるのなら、自分もそうあるべきだという考えに基づいていました。

しかし、自分の考えを率直に語る一方で「すべきことを指図するな」とも言っています。「ああしろ、こうしろ」と決して言わなかったそうです。

では、何を語ったのか? 具体的な指示は避けて、自身の体験談をすることが多かったそうです。キャンベル氏からコーチングを受けたユーチューブ共同創業者のチャド・ハーリー氏も「ビルは自分に起こったできごとを語る。説教ではなく、ただ、自然体で話してくれた」と、当時を振り返ります。

キャンベル氏の体験談を通じ、話を聞いた人が自身の立場や課題に当てはめて解決策を自ら考えるように差し向けたといいます。

朝礼で伝えたいポイント

・誠実な話を聞きたいのなら誠実に話す
・結論づけた指示を最初から与えない
・結論や解決策を導くヒントや体験談を語る

朝礼での活用例

ビル・キャンベルさんという人をご存知でしょうか。世界中で名前が知られるシリコンバレーのCEOたちに、マン・トゥー・マンでコーチングしていた方です。

そのキャンベルさんは、率直な意見を言うことでも知られていました。率直に話すことで、相手からも偽りのない意見を聞けると考えていたからです。

さらに、嘘のない核心に迫る話を聞いた上で、彼は一つのことを徹底していました。それは、「それはこうすべきだ」と相手に答えを提示しないこと。その代わりに、同じような境遇にあった時の自分の体験談を話し、そこから答えを導き出せるようにしていたそうです。

管理職の皆さんも、いろんな相談や報告を受けることがあるでしょう。そういった時には、結論や解決策から提示するのではなく、話す側に考える機会を与えてみてください。部下や後輩が、想像を超える答えを提案してくれるかもしれませんよ。

強烈なカリスマが率いる企業も組織の強さが成長の源

シリコンバレーを中心に、アメリカで急成長した企業は、そのカリスマCEOの存在がたびたびクローズアップされます。彼らはアイデアや経営手腕を問われ続けるだけでなく、優秀な人材が集まった組織とのコミュニケーションも常に求められてきたはずです。

キャンベル氏のコーチングは企業トップと組織をつなげ、事業を円滑に前進させる重要な役割を担っていました。そんな氏の言葉を利用し、社内のコミュニケーションを活性化してみてください。きっと貴社の新たな成長が始まるはずです。

文=オンデック情報局

ビル・キャンベル 1940-2016
「ザ・コーチ」という異名を持ち、数々のCEOにコーチングを行った。経営が傾いていた当時のアップルや、まだスタートアップ企業だったグーグルなどを指導し、その後の成長に大きく貢献。コーチングした企業の時価総額は、現在では2兆ドルを超えると言われる。享年75歳。

参考図書
「一兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビルキャンベルの成功の教え」エリックシュミット、ジョナサンローゼンバーグ、アランイーグル