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【朝礼で活きる名言・格言】若手社員のフレッシュで創造的な視点を育む「早川徳次」の名言3選

事業の継続的な拡大には、フレッシュな視点でアイデアを生み出す若手社員が重要。その育成の一環として、シャープの創業者である故・早川徳次氏の金言を朝礼で贈ってみてはいかがでしょうか。

早川氏は現代では当たり前となった物をいくつも発明・開発したアイデアマンでした。
ベルトに穴を開けずに留めることのできる「徳尾錠(バックル)」や、シャープペンシルを考案。国産初のラジオやテレビ、電子レンジの開発にも成功しました。

経営者としてだけでなく開発者としても優れていた早川氏は、示唆に富んだ数多くの言葉を残しています。そんな氏の言葉は、若手社員にとって創意工夫のヒントとなるはず。クリエイティビティも増し、イノベーションが生まれる可能性が高まることでしょう。

「若い人の夢が人類の進歩に大きく役立つ」

早川氏は自身の人生を「新しい夢ばかりを追っていた」と回顧し、「若い人の夢が人類の進歩に大きく役立つ」と豪語。氏が徳尾錠やシャープペンシルを発明できたのも、夢を追い続けた結果でした。

氏は「17歳のときには早く独立して仕事をしたい」と夢想し、独立資金を得るにはどんな商売が良いかと考え続けていました。例えば「魚屋になったら」と想定し、仕入れや売り方を工夫できないかと思案していたそうです。

そのように商売のシミュレーションを半ば趣味的に楽しんでいましたが、氏はいつしか「生来の貧乏であったから、あまり元手をかけずに金もうけすること」を考えるに至りました。その答えが「何か新しいものを考え、つくること」であり、徳尾錠やシャープペンシルの開発に繋がっていきました。

シャープペンシルについては特に思い入れがあったようで、早川氏は「より便利なものをという夢を実現することに生きがいを感じ、新製品のペンシルが自分の手で考案された時の喜びは格別だった」と当時を振り返っています。

当初はシャープペンシルに否定的な声が多く上がりましたが、夢を原動力に改良を重ねたことで、海外でも認められる大きな成功を掴みました。夢を叶える道のりを楽しむ姿勢が若手社員に備われば、きっと社内の雰囲気も一変。活気あふれる風土が醸成されることでしょう。

朝礼で伝えたいポイント:夢を見ることが成功への第一歩

・夢を見ることで仕事が楽しくなる
・仕事を楽しめば創意工夫が生まれる
・創意工夫が生まれれば大きな成果を得られる

朝礼での活用例

皆さんは早川徳次さんについてご存知でしょうか? シャープの創業者である早川さんは優れた経営者でありながら、自身でベルトのバックルやシャープペンシルを開発したアイデアマンでもありました。そんな彼は、著書の中で次のように語っていました。

「若い人の夢が人類の進歩に大きく役立つ」

若い頃から夢ばかり見ていたという早川さんは、17歳の頃には独立を夢見ていたそうです。「もし自分が魚屋になったら……」「納豆屋になったら……」と実際に起業した場合をシミュレーションしていましたが、いつしか「元手がなくても儲かるには何か新しいものを考えて作るしかない」と考えるようになりました。

そうしたバックボーンがあったため、早川さんは創意工夫に対して非常に前向きでした。特にシャープペンシルについては「より便利なものをという夢を実現することに生きがいを感じ、新製品のペンシルが自分の手で考案された時の喜びは格別だった」と語っています。

私も若いころに夢を見て当社を創設したので、早川さんの気持ちが少しはわかります。夢を見れば仕事も創意工夫も苦ではなくなり、大きな成果も得られるようになります。

社員、特に若手の皆さんは仕事に夢を見てください。「知人・友人に胸を張れるような実績を残したい」という夢でも構いません! その夢を私は応援します。ぜひ、目標を達成するやり甲斐や喜びを味わえるよう頑張ってください。

「機敏にことを運ぶのが商売のコツ」

早川氏は年来「常に他より一歩先に新境地をひらかねば、とうてい事業の成功は望まれない」という信条を持っていました。さらに「機敏にことを運ぶのが商売のコツ」であると考え、事業のスピード感を重視。実際、関東大震災で家族も財産も失った2年後に、ラジオ事業に挑戦しています。

日本初のラジオ局開設がニュースになった1925年3月、早川氏は大阪・心斎橋の時計店で、アメリカから着荷したばかりの鉱石ラジオを偶然発見。ラジオに大きな関心を抱いていた氏は、即座に1台を購入して分析・研究を始めたのです。

当時はラジオの知識もなく、本業である文具部品の製造で手一杯でしたが、その寸暇を割いてラジオを研究。結果、同年4月には小型鉱石ラジオセットの開発に成功し、ラジオのテスト放送が始まる6月には市販化にまで漕ぎ着けました。価格が輸入品の半額以下ということもあって、大ヒットを記録しました。

その後も「好況下にこそ不景気の波に備えるべき」と、すぐさま真空管ラジオの開発に着手。ラジオ事業は順調に成長し、現・シャープの土台となりました。早川氏率いたシャープが多くのイノベーションを生み出せたのは、氏の思想が社内に根付いていたからに違いありません。

早川氏のエピソードと合わせて「アイデアの質だけでなくスピード感も評価する」と朝礼で伝えれば、社内の提案力が上昇。業界や社内の常識に染まっていない若手社員から、今までにない斬新なアイデアが飛び出すかもしれません。

朝礼で伝えたいポイント:兵は神速を尊ぶ

・独創的な商品・サービスも早期に実現しないと成功は難しい
・アイデアは事業が堅調な時にこそ必要
・提案は質だけでなくスピード感も評価する

朝礼での活用例

本日は私が敬愛するシャープ創業者・早川徳次さんの言葉を、皆さんに贈りたいと思います。

「機敏にことを運ぶのが商売のコツ」

シャープの土台を築いた鉱石ラジオの開発も、この言葉通りに実現されています。早川さんがラジオ開発に乗り出したのは、日本初のラジオ局開設がニュースになった1925年3月。たまたま発見したアメリカから着荷したばかりの鉱石ラジオをすぐに購入し、自社で分析・研究を始めたのです。

当時の早川さんは関東大震災から再起したばかりで文具部品の製造で手一杯でしたが、寸暇を割いてラジオを研究。その結果、同年4月には小型鉱石ラジオセットの開発に成功し、ラジオのテスト放送が始まる6月には市販化にまで漕ぎ着けました。

「常に他より一歩先に新境地をひらかねば、とうてい事業の成功は望まれない」という信条を持つ早川さんは、怒涛の勢いで事業を展開。さらに、鉱石ラジオの成功に満足せず、不景気に備えて真空管ラジオの開発にすぐさま着手したのです。

「兵は神速を尊ぶ」ということわざもありますが、事業においてもスピード感はやはり重要。堅実に成長を遂げてきた弊社も、今後は新たな商品が求められています。

そこで、皆さんにお願いです。新商品のアイデアを提案いただきたい。若手社員は経験がないので不安に思うかもしれませんが、物怖じする必要はありません。むしろ私は、スピード感や積極性も大きく評価します。ぜひ社員全員から意見を聞かせてほしいのです。

「他社が模倣するような商品をつくれ」

時代を先取りする画期的な商品をいくつも手がけてきた早川氏ですが、社内の研究部には「他社が模倣するような商品をつくれ」と話していました。「作ったものがいいから、模倣される。そういう商品でなければ売れないし発展しない」と言うのです。

真似されることは特許を取っても防ぎようがありませんし、自社だけの商品では発展させるのに時間も費用もかかります。一方で、商品を真似されれば「自社の商品の宣伝になり今まで以上に売れるようになる」とも考えていたのです。

同時に、後ろから追いかけられる先発メーカーは常に先を考えなくてはならず、現状に満足してはならないと社員を戒めていました。シャープが世界で初めて開発したトランジスタ(電子回路)による電卓も数十社が後追いしましたが、早川氏は「より優れたものを研究することになり、自分のところの発展にも役立つ」と前向きに捉えていました。

真似が競争を生み、技術の底上げをし、やがては社会の発展に繋がる。シャープペンシルや鉱石ラジオを生み出して世に普及させた早川氏は、その大切さを経営者としても開発者としても身をもって知っていたのです。

第三者から見て真似したくなるかどうかは、アイデアの成否を分ける大きな要素であることは間違いありません。早川氏の教えは「他者に真似されない独創的なアイデアを!」と意気込む若手社員に新たな気づきを与え、地に足が付いた提案が生まれるきっかけとなるでしょう。

朝礼で伝えたいポイント:商品にはオリジナリティとリアリティが必要

・真似されるということは優れている証拠
・真似される商品・サービスは会社を発展させる
・独創的でなくても真似される魅力があることが大切

朝礼での活用例

皆さんは、どのような商品が素晴らしい商品だと思いますか? オリジナリティがあふれる商品でしょうか? シャープ創業者の早川徳次さんは生前、社内の研究部にこのように言っていたそうです。

「他社が模倣するような商品をつくれ」

早川さんが率いた当時のシャープは、国産初のテレビや電子レンジを開発するなど市場をリードする存在でした。当然、商品を模倣されることもありましたが、早川さんはその状況を喜んでいたのです。

その理由について、早川さんは「作ったものがいいから、模倣される。そういう商品でなければ売れないし発展しない」と説明していました。

真似されることは商品に魅力がある証拠であり、真似した商品は自社商品の宣伝になります。さらに、他社に負けまいと努力する必要も生まれ、技術向上にも繋がります。そうした積み重ねが、社会の発展に繋がると唱えたのです。

商品開発を担当されている社員、中でも若手社員の皆さんは「他の人が思いつかないアイデア」を求める傾向にあると思います。私も若い頃は、そのように考えていました(笑)。

オリジナリティを追いかけることは素晴らしいことだと思いますが、ぜひ他社が真似したくなる魅力があるかどうかもアイデアの基準としてみてください。他社が真似したくなる商品には必ず地に足がついた理由があります。そういったリアリティを意識することで、より洗練されたアイデアを思いつくようになるはずです。

若手社員が奮起すれば、自然と組織が変革する

早川氏は徳尾錠の成功で独立後も、シャープペンシルや鉱石ラジオを開発。それだけでなく、経営者として社内の創意工夫を厳しくも優しく見守ったからこそ、シャープはテレビや電卓、電子レンジなど革新的な商品で世をリードできたのです。

ぜひ、早川氏を見本として、自社の若手社員にエールを送ってみてください。若手社員が躍動すれば社内全体が活性化し、生産性が高い組織へと成長できるはずです。

早川徳次(はやかわとくじ) 1893-1980
シャープ創業者。藍綬褒章や勲三等瑞宝章など多くの名誉ある賞を受賞。シャープペンシルを発明し、国産で初となるラジオを製造した。戦後は国産初のテレビや電子レンジなどを開発し、早川電機工業(現シャープ)を世界的な総合電機メーカーへと成長させた。

参考図書
「私の考え方」早川徳次|浪速社
「シャープを創った男 早川徳次伝」平野隆彰|あうん社
創業者 早川徳次」|シャープ株式会社