成約インタビュー INTERVIEW
買収企業インタビュー
建設業

初期投資を抑えエリア拡大+人材確保を実現。技術者を大切にした建設業のM&A

譲渡企業
買収企業
業種
建設業
建設業
M&Aの目的
後継者問題の解決
事業エリア拡大

土木業界で県内トップレベルのシェアを誇り、都市圏へのエリア拡大を目指していたタテカワ土木(仮称)にとって、技術者の確保は大きな課題でした。そこで経営者の立川典仁氏(仮名)は、オンデックの仲介によって都市部で操業していた企業のM&Aを実行。技術者を見事に確保し、エリア拡大の足掛かりとしました。課題の解決だけでなく成長の一手にもなったM&Aとは、どのようなものだったのでしょうか?

初期投資を抑えエリア拡大+人材確保を実現。技術者を大切にした建設業のM&A

中小企業が人材を確保する手段として最高の選択

タテカワ土木は、プレハブ住宅メーカーの抱える多様なニーズに応えることで売上を伸ばしてきました。その結果、県内でも高いシェアを誇るに至り、さらなる成長戦略として営業エリアの拡大に取り組んでいました。

しかし、その実現にあたっては技術者の確保が必須。人材の獲得は多くの企業でも苦戦するところですが、タテカワ土木にとっても避けられない問題でした。

「実は、技術の差別化が難しい土木業は、利幅が小さいビジネスです。遠隔地へ人材や機材を派遣すると、派遣先の地元企業と比較されたとき、コスト面で不利になります。そのため現地に拠点を構えて技術者を採用したいところですが、やはり人材を集めるのが難しい。特にエリア拡大を狙っている都市部では本当にハードルが高くなっているんです」(立川氏)

営業エリアの拡大は成長戦略の至上命題。採用が困難でもあきらめるわけにはいきません。そんな折、打開策を模索する立川氏は、現地で既に取引のあった企業が事業の譲渡を検討していることを知ります。

一般的には、取引先とのM&Aは、双方に一定の信頼関係と安心感があるため基本合意に至りやすいというメリットがある一方で、お互いを知るがゆえに譲渡金額などの条件をシビアに折衝することが難しいものです。加えて譲渡企業側にとっては、万が一交渉が決裂した場合の情報流出リスクやその後の取引継続への悪影響なども懸念され、敬遠されることも多い事例となります。そんな事情もあり、立川氏は検討の結果、自ら直接交渉せずにオンデックの仲介によって買収を進めることを決めました。

「(M&Aを実施すれば)自社でゼロから拠点を設けるよりも投資を抑えられ、技術者も獲得できる。実際、求人を出すよりも、まとまった形でスピーディーに人材を集めることができました。現在の仕事で手一杯になっている中でも事業を拡大できる、そんな最高の選択だったと思っています」(立川氏)

技術者はお金だけでは揃えられない。それを痛いほど肌で感じていた立川氏だからこそ「M&Aは中小企業が人材を確保する手段として有効だ」と確信したそうです。

初期投資を抑えエリア拡大+人材確保を実現。人材を大切に考えたM&Aとは?

従業員の雇用継続を優先し、当初から最大限に配慮

M&Aで技術者不足を解決した立川氏ですが、その後の「従業員の定着」も達成しなければいけないと考えていました。そこで「実際にどうなったのか?」と尋ねると満面の笑みで答えてくれました。

「結論から言うと、問題ありませんでした。それは、M&Aの検討段階から、両社がお互いの感情に十分に配慮したからでしょう。前オーナーの弊社に対する心象は従業員に少なからず影響を与えると想定されたので、提示された条件にはできる限り応えました。さらに前オーナーには1年間、顧問として協力いただくことになり、譲渡企業側との融和が上手く進んでいます」(立川氏)

立川氏は、譲渡企業の従業員のケアについても検討段階から熟慮。早くにエリア拡大に着手したいものの、急速な環境変化によるストレスで従業員が離職しないよう、当面は労働環境を大きく変えませんでした。M&Aの目的である人材確保を最優先事項として、終始、意思決定をぶらさなかったのが功を奏したといえます。

立川氏はM&Aが成功した理由として「仲介業者であるオンデックの果たした役割が大きかった」と振り返ります。

「規模としては小さなM&Aですが、とても丁寧に支援していただけました。打ち合わせの都度、課題を洗い出し、確実に、やるべき事をこなしていくことができたので困ることがなかった。オンデックさんは当事者意識を持って対応してくれたので、私どもも遠慮することなく一丸となって進められました。それに、契約締結の後もレスポンスよく相談に乗っていただけているので安心しています」(立川氏)

M&Aで人手不足を解決するならば、それに携わる「人」に対して真摯に向き合うことが何より重要。やるべき事を整理してもらえたからこそお互いに配慮できた、と嬉しそうにおっしゃる立川氏の表情がとても印象的でした。

COMMENT
オンデックからのコメント

人材不足が課題となっている昨今では「自社と同等水準の技術を持った人材をまとまって確保したい」という潜在的なニーズを感じている企業は多いでしょう。その点、今回のケースのように、仕事で取引がある企業とのM&Aは、技術力が見えている分、安心感があったものと思われます。
 
一方で取引先とのM&Aは、前述のとおりデメリットや懸念点がありハードルは相当に高いものです。その点、今回はオンデックという中立的な仲介支援会社が間に入ることで、双方のリスクに十分配慮しながら、従業員や取引先との関係性を保ちつつM&Aを実施できました。M&Aによる事業の発展をご検討の際には、経験豊富なオンデックにぜひご相談ください。