成約インタビュー INTERVIEW
買収企業インタビュー
建設業

職人技に一目惚れ。譲り受けを決意した建設業のM&A

譲渡企業
買収企業
業種
建設業
建設業
M&Aの目的
後継者問題の解決
事業拡大

「M&Aは企業同士の結婚」と例えられることがあります。それはM&A実施までの過程でお互いの企業を理解しあうプロセス、またその後の発展を指してのことですが、工務店を経営する松田史宏氏(仮名)が行ったM&Aは、その形容がピタリと当てはまります。
M&Aによって譲り受けたのは、歴史的な構造物の建設技術を持つ建設会社。検討途中、「本当に一緒になるべきか?」と悩んだ瞬間もあったものの、その技術に惹かれた直感を信じて事業の譲り受けを決断したというドラマがありました。

職人技に一目惚れ。譲り受けを決意した建設業のM&A

買収候補から外れるも一転、譲渡側から「もう一度検討したい」

松田氏が経営するマツダ工務店(仮称)は、職人を抱え、営業、設計、仕上げ、アフターフォローまで一貫して行っていることが強みでした。近年は新卒採用にも積極的で、ここ数年は従業員も着実に増えていたといいます。その結果、若いメンバーのアイデアから広告宣伝なども積極的に行うようになりましたが、一方で事業全体としては伸び悩んでいました。

「木材を主に扱う工務店は世にごまんといる。そこで抜きん出るのは難しい。さらに新型コロナウィルス感染症の影響で利益も下降線。事業を拡大するしか成長が望めない中、注目したのがM&Aでした。組織的にも、若い社員を監督する中堅クラスの社員が必要でしたので、人材確保と事業拡大の手段として、一石二鳥だと考えました」

そう決めてからは、案ずるより産むが易し。M&Aに取り組むのは初めてだったため、経験者である知人に話を聞いたり、セミナーに足を運んだりと、すぐに行動に移しました。そうしてM&Aへの理解を深める中で、銀行からオンデックを紹介され、買収を検討している旨、相談しました。

松田氏は当初、買収先としては、主に建築の内装や設備、電気といった関連工事業者を希望。しかし、オンデックが提供した候補企業の情報を見たとき、希望との違いに驚いたそうです。

「オンデックさんが持ってきたのは、歴史的な建造物や造作を手掛けるイザナギ建築(仮称)だったんです。えぇ〜!って思いましたね(笑)。ですが、仕事を調べたり、話を聞かせてもらったりしているうちに、これは面白いと感心しました。イザナギ建築と一緒になったら仕事の幅も広がると思ったし、事業拡大のアイデアもドンドン湧いてきましたね」

工務店とは異なる分野の建築業に松田氏は興味津々。企業自体も資料を見ると経営基盤も安定しており、問題は後継者不在という点だけ。自分が頑張れば、さらに業績も上げられるのではと好印象を抱きました。とはいえ初めてのM&Aだったため、いくつかの会社を見て、判断軸を磨いてから考えた方が良いのではないかと、かなり悩まれたといいます。しかし、「こんないい企業との出会いを逃したら、もう二度と同じチャンスは巡ってこないだろう。M&Aの候補企業とは一期一会だ!」と思い直した松田氏。その技術力に惹かれて買収の意向を伝えました。

しかし、イザナギ建築は別の買収企業を選択。松田氏はその旨をオンデックから聞かされた時、選ばれなかったことが残念な一方で、いろいろと迷っていた分、ホッと安心したそうです。縁がなかったとあきらめた松田氏でしたが、一転、イザナギ建築は別企業への譲渡検討を見送り、再びマツダ工務店に機会が巡ってきたのです。

「その話を聞いたときは、一回フラれた相手に告白されても……と感じたのが正直なところ。ですが、イザナギ建築の技術はやっぱり素晴らしい。すごい仕事、職人技、まさに匠といういい技術を持っていた。誰にでもできる仕事じゃないし、競合が少ないから利益率も高い。ただ、今まで営業したことはないというから、もし私が頑張って営業に力を入れられたら受注ももっと取れるはず。そういったプラスの展望も見えていたので、本当に魅力的に感じていました」

つまりは惚れてしまったんですよね、と笑いつつも、情に流されて正確な判断ができないのは経営者としてダメだという松田氏。経営者目線で落ち着いた検討を進めつつ、やらずに後悔するくらいならやったほうがいい、自分が見送ったら廃業となってしまうかもしれないという気持ちが後押しになり、松田氏は買収の意向を固めました。

その後は慎重に条件調整の話し合いを進め、見事、円満にゴールイン。松田氏念願のM&Aが成立したのです。

買収候補から外れるも一転、譲渡側から「もう一度検討したい」

惚れこんだ技術力を活かし事業を拡大

M&Aから数ヶ月が経った現在、マツダ工務店とイザナギ建築の関係は順風満帆。イザナギ建築の会長や従業員との関係も良好とのこと。

「現状では大きな変化はありませんが、事業を拡大するにためにはイザナギ建築の仕事をしっかり知る必要があるので、今はイザナギ建築にたくさん勉強させてもらっています。弊社の仕事とイザナギ建築の仕事は大きく違いますので、1年生の気持ちですね(笑)。刺激的で、とてもやり甲斐を感じています」

組織を大きく変えずとも、相乗効果は徐々に出ている模様。例えば、これまでイザナギ建築が外注していた工務店向けの仕事をマツダ工務店が受けるなど、グループ内で対応することで売上増につなげられているそう。

さらに、内情を詳しく知るにつれて成長課題も明白になってきたといいます。松田氏によると、課題は大きく2つあり、それぞれの打開策も見えているそうです。

まず1つ目は、社内のIT化の余地が大きくあったこと。給料は現金支給で、会計処理もすべて手書きだったり、PCのスペックも充分ではなかったりなど、すぐに業務効率化に取り組める点があったことから、環境の刷新を進めているといいます。

2つ目は事務所スペースに限りがあったこと。人員増に対応しきれないため、受注できる量も制限されており、仕事の伸び代が十分あるのに場所的な伸び代がない状態だったのです。これは拠点を広げることで対応したいと考えているそう。

早くも成長の兆しを見せつつあるマツダ工務店とイザナギ建築。数年後の目標について松田氏に尋ねると「M&Aをしたから双方が発展したといえることを目標にしたい」と回答。惚れこんだ技術との相乗効果を描く松田氏の、楽しみにあふれた表情はとても印象的でした。

COMMENT
オンデックからのコメント

結婚に例えられることがあるように、両企業の明るい未来をイメージできる相手と発展的なM&Aを行うことが大切です。そのため、相手の長所はもちろん、短所も理解し、相乗効果を得ながら双方が高め合える関係性を築くことが重要です。

本案件の成功要因は、企業間の親和性が高かったことに加え、買収側企業の松田氏がM&A前から事業発展のアイデアを思い浮かべられるほどM&A後のイメージを具体的に描けたことでした。それが譲受企業の課題を補い、相乗効果を生む源泉になったといえるでしょう。事業の発展という“幸せな未来”を築けるパートナーをお探しなら、ぜひオンデックにご相談ください。