成約事例 CASE STUDY

分散株式を集約し事業承継を実現。創業数十年の出版業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
出版業
小売業
M&Aの目的
後継者問題の解決
経営基盤の強化
事業の拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

A社は首都圏で、ある特定業界向けの出版業を営んでいた。

創業から数十年の歴史を持ち、業界では相応の知名度を有していた。メーカーから小売店まで読者層も幅広く、マネジメント層に支持され購読されていた。

また、首都圏の一等地に本社ビルを保有するほか、日本各地に支局があり、全国に張り巡らされた情報網を基盤に同業他社とは一線を画した独自の記事制作を行えることが強みであった。

近年は購読者数が若干の減少傾向にあったが、足元ではメディアのリニューアルや電子化が奏功し購読者数も徐々に回復しつつあった。

譲渡側の課題

A社には3つの課題があった。

第一に、後継者が不在であったこと。創業家出身の代表X氏はすでに高齢であったが、引き継ぐ意思を持つ経営陣や従業員はいなかった。

第二に、株式の分散が起きていたこと。A社は株券発行会社であったが、創業から相当の年数を経ていたことから株券の紛失や、相続に伴う株式の分散が起きており、数十存在する外部株主との連絡も容易には取れない状況であった。

第三に、経営基盤の強化が必要であった。A社はメディアのリニューアルなどにより足元の購読者数は回復傾向にあったものの、財務は苦しい環境が続いていた。

オンデックとの出会い

X氏は既存取引先のB社から「後継者がいないなら御社を買収したい」旨の連絡を受け、事業承継について考え始めた。

そこで、取引のある金融機関に後継者問題について相談したところ、信頼できるM&A支援会社としてオンデックを紹介され、支援を依頼した。

A社は業界特化のビジネスモデルであることから、通常、買収候補となる企業は限定されるが、今回は事業承継の可能性を高めるべく幅広い業種・領域から買収候補企業を探索することになった。

他業界の専門出版事業を営む企業等への承継も検討されたが、X氏は、当該業界の事情を熟知しているB社に承継することが顧客や従業員への影響が少ないと判断。結果、B社によるM&Aが成立した。

B社への譲渡にあたっては、分散したA社株式をどう集約するかが大きなハードルであったが、コンサルタントの地道な調査と調整が実を結び、株式の集約についても解決できた。

買収側の概要

A社を買収したB社は、首都圏で当該業界において、小売を中心とした関連事業を展開していた。同社はA社の既存取引先であり、A社の後継者が不在であることを知って、第三者承継の手段として従前からM&Aを提案していた。

そもそもB社は、異業種出身の代表Y氏がM&Aを契機に業容を拡大した経緯があり、異業種に対しても積極的にM&Aを行う方針であった。

本件では、A社の出版事業のテコ入れに取り組みつつ、さらに隣接領域での新規事業や、A社本社ビルのバリューアップを通じた収益性の向上にもチャンスを見出していた。

課題解決・シナジー

A社は、B社から新たな代表取締役を迎え、まずは出版事業のテコ入れに取り組みつつある。元代表のX氏は顧問としてA社に残り、自らも掲載広告の獲得に動くなど側面支援を続けている。

また、A社本社ビルについてもバリューアップの計画が進みつつある。

COMMENT
オンデックからのコメント

本件は創業数十年という歴史ある企業がM&Aにより事業承継に成功した事例でした。

創業から長く時間の経った企業は、株主、関係者の相続等により株式の散逸や所在不明が発生しているケースがあります。そのような場合、株主の特定や株式の集約ができるかがM&A成立のカギとなります。本件では、コンサルタントの地道な調査と調整が実を結び、株式の集約に成功。結果、当初からM&Aを打診していた既存取引先B社との成約へと、代表X氏の納得感のもと至ることができました。

歴史ある企業で、株主の分散や所在不明があってもご支援できる可能性があります。事業承継についての不安があれば、ぜひオンデックに相談ください。