成約事例

従業員の成長環境を確保。事業拡大にも成功したOA機器卸売業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
卸売業
コンサルティング業
M&Aの目的
後継者問題の解決
事業の拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

関西圏に拠点を置くA社は、OA機器の卸売業を営んでいた。メンテナンスサービスも提供し、顧客に寄り添った保守業務を通じて信頼関係を構築。既存取引を継続しながら紹介による新規獲得にも成功し、多数の取引先からの安定受注が可能であった。

筋肉質な営業体制もA社の強みであった。エリアを絞ったルート営業を戦略的に展開することで、数名の営業担当者でも安定した売上を確保。その上で、営業の中核を担うY氏が顧客ニーズを汲み取り適切に提案営業を実施。そこからも多くの受注を獲得し、利益率が高いビジネスモデルを確立していた。

譲渡側の課題

A社は後継者問題を抱えていた。X社長は高齢であったが、承継の意思を持つ親族はおらず、社内にも適任者は不在。後継者候補としてY氏を検討したこともあったが、組織マネジメントの経験値やノウハウが不十分であったため、従業員承継も断念した。

一方で、X社長が65歳を超えて体力の衰えを実感し、同時期に生じたコロナ禍を通じ「家族との時間を大切にしたい」という気持ちが増したことで、数年内の引退を希望。X社長にとって後継者の不在は喫緊の課題となっていた。

オンデックとの出会い

金融機関との商談の中で偶然M&Aが話題に上がったことをきっかけに、X社長は第三者承継に興味を持った。そうして、金融機関から信頼できる支援会社としてオンデックを紹介されM&Aについて相談。想像よりも高い企業価値評価額を得られたことと、どんな質問にも率直に回答するオンデックの姿勢に誠実さを感じ、M&A支援を依頼した。

譲渡条件として掲げたのは「従業員の雇用・処遇維持」と「得意先との取引継続」。さらに、中核人材であるY氏が引き続き成長できる環境となることも重要視した。営業力に優れたY氏が管理職として能力を発揮すれば、組織営業の効率がさらに高まり、A社の成長にも繋がると考えたからだ。

A社に関心を表明した企業の中で、X社長が選んだのはコンサルティング業を営むB社。「事業の長期的な自走体制の構築を企図し、経営人材をA社内部から計画的に育成する方針であること」「顧客基盤の相互活用によるシナジー創出を見込めること」に魅力を感じ、譲渡を決意した。

買収側の概要

B社は関東圏を中心にコンサルティング事業を展開。顧客の課題に幅広く対応するため、多様な領域に対する経営支援サービスを提供していた。また、事業の多角化にも積極的で、複数の事業会社を買収。安定した収益構造と、持続的に成長できる体制を構築していた。

オンデックからのオファーで他社を買収した実績があったB社は、A社のM&Aにも関心を示した。OA機器の卸売業はB社にとって新規領域。さらなる事業の多角化を実現でき、顧客情報の共有によって関西圏への進出も図れる。「投資対象としてもA社は十分に成長が期待できる」と考え、A社の買収に乗り出した。

課題解決・シナジー

A社はB社のグループ企業となったことで、後継者問題を解決した。X社長は3ヵ月の引き継ぎ期間を経て引退し、事業運営はB社支援のもと、Y氏を中心とした体制が担う。Y氏には管理職としての成長が見込まれている。

また、B社グループの顧客に対するクロスセルによってOA機器の売上も伸長。さらにB社による助言を受け、自社エンジニアの高い技術力を活用した新サービスを創出するなど、さらなる事業拡大が予測されている。

対するB社は、A社の顧客との取引をきっかけに関西圏への進出に成功。事業の多角化と新規顧客の獲得に成功し、経営の安定と強化を両立できた。

COMMENT
オンデックからのコメント

M&Aの成功には、条件にあったお相手探しが欠かせません。専門家へ支援を依頼する場合、きちんと自社の事業を理解してもらうだけでなく、譲渡先の条件も明確に伝えることが重要です。

本件の成功要因も、X社長が自分の要望や会社の実情を正しく開示したことでした。X社長と忌憚なくコミュニケーションがとれたことで、買収企業向け提案資料の精度も高まり、A社に適したお相手が見つけられました。

オンデックでは、後継者問題をM&Aで解決してきた多様な実績があります。後継者の不在でお悩みなら、ぜひお気軽にオンデックまでご相談ください。