成約事例

妥協なきイグジット。理想のシナジーに繋がった建設業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
建設業
建設業
M&Aの目的
イグジット
事業の拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

建設業を営むA社には、3つの強みがあった。1つ目は優れた提案力。安全面を重視した設計は、明確な競合優位性を持っていた。2つ目は優良な顧客基盤。上流工程で案件を受託できていた。

3つ目は設備・資材の調達力。仕入れ先との交渉によって低コストで材料調達が可能であった。コスト的にも技術的にも高い競争力を保ち安定した受注を獲得、利益率の高いビジネスモデルを構築していた。

譲渡側の課題

A社は2つの課題を抱えていた。1つ目は資金面。今後、売上・利益を成長させるためには、さらなる設備・資材の購入が必要であり、資金力が必要とされていた。

2つ目は人手不足。A社は人材の採用・育成に注力していたが、さらなる事業の拡大には人材の強化が求められていた。また、事業者が工事を請け負う際に必要な「一般建設業許可」を維持するためには「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」を有することが必須となるが、要件を満たす人材がX社長以外にいなかった。

オンデックとの出会い

X社長の教育方針として「いずれ子供には海外で、より高度な教育を受けさせたい」との考えが前々からあった。それを実現するため海外への移住を選択肢の一つとしていたX社長は、M&Aによるイグジットを決意することになる。

従業員の今後を考えれば、事業を成長させてくれる企業へ譲渡することが最善であることに加え、以前から挑戦したかった新規事業を立ち上げるために資金が必要だったことも決断を後押しした。

X社長は複数のM&A支援会社に相談。親交があるファイナンシャル・アドバイザーからオンデックを紹介された。そして企業価値評価を依頼するなどのやりとりの中で、M&Aに対する知識の深さや提案力に感銘を受けオンデックに支援を依頼するに至った。

譲渡条件として掲げたのは「従業員の雇用維持」と「譲渡価格」。買収企業の候補は複数挙がったが、提示された額は、A社の将来性を踏まえるとX社長が納得できる水準ではなかった。

そこでオンデックは、A社独自の成長戦略を提示し、A社の将来性をアピール。結果、その価値を認めた同業のB社が買収意向を表明することになる。

買収側の概要

B社は、規模の大きい同業の建設業者であった。安全性を担保しながらも工期を厳守した丁寧な施工で、顧客との信頼関係を構築していた。職人の成長を重視し、技術研修など充実した育成制度を設けていることも強みであった。

強固な財務基盤を有するB社は、さらなる成長を求めて取扱工事領域の拡大に着手。これまでもM&Aを活用した事業拡大に成功していた。

B社は、A社の将来性に惹かれ関心を持ち、両社のトップ面談を経て「多様な事業シナジーを期待できる」と確信しA社の買収を決めた。

課題解決・シナジー

M&A後、A社はB社からの発注によって売上が増加。さらに管理ノウハウが共有されたことで効率化が図られた。将来的にはB社の採用力や育成制度によって、課題であった人材面の強化も期待されている。

一方で、X社長は退任に向けて業務の引き継ぎを実施中。公私ともにますます充実している。

B社は、A社の設備・資材調達ルートによってコスト削減に成功。A社の強みである提案力を取り入れることで、さらなる案件の獲得も見込まれている。

COMMENT
オンデックからのコメント

譲渡側の経営者にとって譲渡価格は非常に気になるポイントでしょう。「納得する条件での買収先が現れないかもしれない」と弱気になることがあるかもしれません。

本件では、A社の価値をX社長自身が信じ、そのX社長が考えるA社の成長性・将来性をオンデックが可視化し提案に盛り込むことで好条件のM&Aを実現することができました。

オンデックでは、多様なM&Aを支援してきた実績があります。M&Aによる経営課題の解決やイグジットなどを検討しているなら、お気軽にオンデックまでご相談ください。