成約事例

経営基盤の強化でさらなる成長の足掛かりを得た医療業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
医療、福祉
投資業
M&Aの目的
経営基盤の強化
事業の拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

医療法人A(以下、A病院)は、複数の病院を運営していた。グループの中核となる病院には、高齢化が進む地域の受け皿となる医療療養病床を設置。介護医療院や老人ホームも展開していた。充実した介護・医療サポート体制を構築しており、地域になくてはならない存在として重宝されていた。

譲渡側の課題

A病院は「老朽化した施設の建て替え」「病床稼働率の頭打ち」「将来的な後継者不在」などいくつかの経営課題を抱えていた。

施設の建て替えには数十億円もの資金が必要であり、後継者の目処もたっておらず、X理事長は大きな不安を感じていた。病床稼働率の改善には手を尽くし、一定の上昇はみられたものの、さらなる医療収入の拡大には新たな施策を打つ必要があった。しかし、それらを実施していくための人材も不足していた。

こうした背景からX理事長は経営体制の強化に強い課題意識があり、それぞれの経営課題について共に解決を図るパートナーを求めていた。

オンデックとの出会い

自社単独での課題解決が難しいことから、X理事長は次第に「経営基盤が強固な企業に譲渡した方が良いのではないか?」と考えるようになった。さらに「自分はあくまで医師であり、より経営力のある適任者にA病院を任せた方が事業を拡大できる」と判断し、第三者への譲渡を決意した。

X理事長は他院の買収を検討していた時に相談していたオンデックに、改めてA病院を譲渡するためのM&A支援を依頼。買収先には資本力があり、また、豊富な経営ノウハウを有する企業を希望した。

当初は同業の医療法人を視野に入れていたが、文化の違いによる統合の難しさを考慮し、病院経営に特化した投資会社への譲渡を検討。その中でも、A病院の組織風土を尊重しながら、充実した経営支援を提供してくれるB社への譲渡を決めた。

買収側の概要

B社は地域経済の活性化を目指す投資会社であり、ハンズオン型コンサルティングを得意としていた。提携先の長期的な価値向上を目的とする経営改善を実施しており、ヘルスケア事業など、幅広い分野の企業に対する支援実績を有していた。

「医療は地域における重要な社会基盤である」と考えていたB社は、医療業界への事業拡大を検討していた。そうした中で、医療法人では比較的高い利益率を誇るA病院に関心を示した。

そして「A病院がある地域は人口が増えている一方で病院数が不足している。需要の増加が見込まれており、自社グループの多角的な経営支援が加われば、持続的な成長が実現できる」と判断。A病院の買収に至った。

課題解決・シナジー

B社から人材が派遣されたA病院は、マネジメント体制が刷新された。資本をはじめ、経営基盤全般が強化されたことで、積極的な経営戦略を立案できるようになった。

また、B社の経営ノウハウと最先端テクノロジーによるDX化によって、業務効率化の兆しが見えた。さらに、B社のグループ企業との協働による、さらなるシナジー効果の創出も期待されている。

COMMENT
オンデックからのコメント

医療法人を運営する中で、老朽化した設備の刷新に伴う資金調達や人材確保など多様な経営課題に直面することも少なくないでしょう。M&Aは、そのような困難な状況を打開する一手になりえます。

本件は、まさに経営基盤の強化に成功した好例でした。A病院が、投資会社へのM&Aを選択したことで事態が好転。多様な経営ノウハウを有する譲渡先と結ばれたことで、さらなる成長の兆しが見えました。

オンデックでは、多様な経営課題をM&Aで解決に導いてきた実績があります。経営上のお悩みがあれば、ぜひオンデックまで相談ください。