成約事例

投資会社への譲渡で後継者問題を解決。人材確保に成功し事業も拡大した服飾雑貨製造業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
製造業
投資業
M&Aの目的
後継者問題の解決
経営基盤の強化
事業の拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

国内外に拠点を持つA社は、ファッション用およびスポーツ用の服飾雑貨を製造。国内大手企業からも「ODM(受託開発)生産」を委託されていた。自社ブランドも展開しており、その質の高さでユーザーから高い評価を獲得。国内市場において高いシェアを占めていた。

日本国外の展示会への参加などによって、海外からの引き合いも多く、とりわけ北米では人気を博していた。また、製造を担う海外の子会社を有することで安定的な生産体制を構築し、高い収益性も確保していた。

さらに、チームワーク・チャレンジ精神を重視する社風も強みであった。この社風に裏打ちされた商品開発力や新規顧客の開拓、販路の拡大によってA社は持続的な成長を遂げていた。

譲渡側の課題

A社は3つの課題を抱えていた。1つ目はEC戦略の強化。コロナ禍でECサイトの売上は伸長したものの、全売上高における割合はまだ不十分であった。国内市場での売上拡大を目指すうえではEC戦略の強化は必要不可欠であったが、WEBマーケティングを担える人材が不足しており、改善の目処が立っていなかった。

2つ目は、海外の子会社に派遣している管理者の高齢化。60歳を超える人材が多く、遠くない将来に引退してしまうが、後任として適任者を見つけられていなかった。

3つ目は、後継者の不在。60歳を迎えてリタイアを意識したX社長は親族内承継を望んだが、子供はおらず、他の親族も事業承継の意思がなかった。従業員への承継も検討したが、経済的にA社の株式を取得することは難しく、断念せざるをえなかった。

オンデックとの出会い

悩んでいたX社長は、事業承継のセミナーに参加。その中でM&Aなら後継者問題を解決できるだけでなく、経営基盤も強化できることを知った。「経営基盤を強化できれば、さらに売上を伸ばせる」と考え、第三者への承継を決意した。

そうしてセミナーに登壇していたオンデックに連絡し、M&Aの支援を依頼。買収先の条件には「役員・社員の継続雇用」と「取引先・銀行との取引継続」に加え、A社の強みでもある「社風と独立性の維持」も掲げた。結果、財務基盤が強固で海外ビジネスのノウハウも有するB社への譲渡に至った。

買収側の概要

A社を買収したB社は、ハンズオン型コンサルティング(クライアント企業の業務に直接的に関わりながら支援を行うコンサルティング手法)を得意とする投資会社。イグジットを前提としない長期的な支援が特徴であり、主に中小企業に対するエクイティ投資(株式の取得により企業の経営に関与する投資手法)を展開していた。事業の構造改革やDX推進などによって投資先の生産性を高め、多様な企業の価値向上に貢献してきた。

地域経済の活性化を企業のミッションに掲げるB社は、以前から取引があったオンデックからA社のM&Aを提案された。A社は地域の雇用創出だけでなく、グローバル展開やEC戦略の強化によってさらなる成長が見込める。そのため「投資する価値がある」と判断し、A社の買収に乗り出した。

課題解決・シナジー

B社から役員が派遣されたA社は、X社長を除く役員陣が刷新された。X社長は代表取締役として続投しながら、数年後のリタイアに向けて事業承継の準備を進めている。

さらにB社の提携先から人材を集め、多様なノウハウを共有。課題であったEC戦略の強化や、中国・欧州市場への進出加速が見込まれている。また、海外子会社で管理職を担える人材の育成・獲得に向けた取り組みも検討されている。

対するB社はA社がグループ企業となることで収益が増大。今後はグループとしてのシナジー効果も期待されている。

COMMENT
オンデックからのコメント

M&Aによる事業承継は事業拡大にも繋がり、会社の成長戦略の選択肢となりえます。本件では、B社の支援を受けることで、A社は経営基盤が強化されたうえ優秀な人材の確保にも成功。さらなる成長を遂げる準備を進められました。

オンデックでは後継者問題をM&Aで解決してきた多くの実績がございます。後継者不在でお悩みなら、気兼ねなくオンデックまで相談ください。