成約事例

後継者問題を解決し、海外進出も実現した繊維製造業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
製造業
投資業
M&Aの目的
後継者問題の解決
経営基盤の強化
投資先のバリューアップ
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

A社は繊維製品の製造販売を営んでいた。創業から70年以上の歴史を誇り、日本らしいデザインと品質の高さで強いブランド力を確立。贈答品等に用いられるなどネームバリューも高かった。近年、海外における日本人気の高まりもあって、グローバル需要も見込まれていた。

 
また、高収益なビジネスモデルを構築していることもA社の特徴であった。問屋・小売や商社に加えて、自社ウェブサイトを通じて一般の消費者にも直接販売できていた。さらに、原糸の仕入からデザイン、製造、販売、流通までの各工程を自社で対応することにより低コストの事業構造を構築できていた。

譲渡側の課題

A社は後継者の不在が課題であった。A社のX社長は60歳手前であったが、親族内外を問わず適切な後継者がいなかった。また、業務全般において代表者夫妻への依存度が非常に高く、その解消のために人材を外部招聘することも難しい状況であった。

 
また、A社では数名の従業員を本人の要望から業務委託社員として取り扱っていたが、昨今のコンプライアンスの重要性の高まりを受けて労務リスクマネジメントの見直しが必要であったことも、悩みの種であった。

オンデックとの出会い

X社長は後継者問題の解決策としてM&Aを検討。A社の今後を総合的に考えるなら「グローバル展開も見据えて、外部の資本および知見を活用して経営基盤を強化するのがベター」と判断した。そこで、大手M&A仲介会社に依頼し、パートナー企業を募ることにした。

 
しかし、大手M&A仲介会社の業務進行に不満を抱いたX社長は、仲介会社を変更。オンデックに白羽の矢が立った。オンデックは、A社が強いブランド力がある繊維製品メーカーであることから、譲渡先の選定は、より成長へのコミット力が高いファンドに限定した入札方式を採用。各社のプレゼン内容を踏まえて、事業成長の観点から譲渡先を決定した。

買収側の概要

買収企業であるB社は、主に日本の非上場中堅・中小企業を対象にした投資ファンド。ニッチな市場や強いブランド力を持つ商品、海外での展開が可能な事業への投資を得意とし、投資先の成長を促す様々な経営支援サービスも提供している。

 
オンデックから、事業の成長余力の高さをもってA社の買収を提案されたB社は、A社が投資対象として適切であるかどうかをリサーチ。その結果「商品が高品質であること」「複数の販売チャネルを持っていること」「海外事業展開など事業に伸び代がある」の3点を理由に、A社への投資を決定した。

課題解決・シナジー

M&A後、A社は経営体制を一新。B社のサポートによって、ブランドビジネスに知見を持つ若手経営者が参画した。代表者夫妻が主に担当していたデザイン業務とプロモーション業務も、外注化することで依存体制からの脱却を実現した。

 
労働環境も適正化された。一部コアメンバーを正社員化するなど労務リスクも解消。また、アメリカ駐在経験のあるスタッフがB社から派遣され、英文契約締結を含めた海外との取引に対応。B社のネットワークを通じグローバル展開を推進している。

COMMENT
オンデックからのコメント

後継者問題の解決だけではなく、事業成長の手段としてもM&Aは効果的です。中小企業では一筋縄ではいかない海外進出も、知見のあるパートナーを得ることで強力に推し進めることができます。当案件は、投資ファンドの力を借りて海外進出の足がかりを得た好例でした。

 
オンデックでは、事業に発展をもたらすM&Aを支援しています。課題解決の手段としてM&Aを検討されていましたら、気兼ねなくオンデックにご相談ください。