成約事例

偶然のタイミングが重なり、お互いの事業拡大に繋がった建築業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
建設業
不動産業
M&Aの目的
後継者問題の解決
事業の拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

A社はユニットハウスやプレハブ建築を取り扱っていた。オーダーメイドのユニットハウスを受注し、造形や色など、顧客の希望をできるだけ忠実に再現。さらに、自社で一貫して製造する体制を構築することで、短納期かつ低価格での製品提供を可能としていた。

プレハブ鉄骨建物の設計・施工も広く手掛けており、ユニットハウスは累計で約1,000棟を販売、プレハブ建築は約300棟を施工。このような豊富な実績により、電気工事や塗装など建築に関する各専門業者とも信頼関係を構築できていた。

譲渡側の課題

A社は人材不足が課題であった。A社には施工管理技士がX社長以外におらず、人材(資格者)不足を理由にプレハブ建築の依頼を断るケースも多かった。施工管理技士を増員すれば受注件数も増やせ業績拡大が見込めるが、有資格者が業界全体で不足しており、採用が進まなかった。

加えて後継者の不在も大きな課題であった。X社長は高齢で子供もおらず、社内でも従業員の高齢化が進んでいた。社内から後継者を探すことも難しく、経営を任せられる人材を確保する術が現実的にはなかった。

オンデックとの出会い

X社長は家族が体調を崩したことを機に、第三者へ事業を承継することについて検討を開始。地域の事業承継・引継ぎ支援センターに相談した。A社の事業が好調だったこともあり、センター担当者からはM&Aを提案された。

もとよりM&Aに関心があったX社長は、事業承継・引継ぎ支援センター主催のコンペを通じてオンデックに仲介を依頼。事業承継後も従業員が安心して働き続けられるように、競争力がある企業への譲渡を希望した。

買収側の概要

A社を譲り受けたB社は、主に不動産の売買や管理、賃貸などを取り扱っていた。もともと大手企業のグループ会社で安定した経営基盤を有しており、不動産会社や建設会社などを買収することで、積極的に事業拡大を図っていた。

B社は、建物の内装工事やプレハブ建築のリースを行う会社を直近で買収しており、同じくプレハブ建築を扱うA社に興味を示した。A社を買収すればスケールメリットやシナジー効果を得られると判断し、M&Aを進めることに決めた。

課題解決・シナジー

A社はB社の協力を受け、施工管理技士などの技術者を増員。さらに資本を増強して特定建設業の許可を取得し、より受注額の大きな案件を受託できるようになった。

一方で、B社は建築関連の外部専門業者への発注をA社へ変更し、スケールメリットを創出。コストの削減に成功した。加えて、A社の作ったプレハブ建築やユニットハウスの販売も手掛けるようになり営業提案の幅が拡大。今後もさらなる利益拡大が期待されている。

COMMENT
オンデックからのコメント

本件は、X社長のご家族が体調を崩したことに端を発したM&Aでしたが、A社の業績が好調であったため、B社のような良いパートナーとスムーズにマッチングできました。ただ、もしA社の業績が芳しくない時期であれば、買い手として名乗りを挙げる企業を探すのは難航したかもしれません。

M&Aにおいて判断のタイミングは非常に重要です。入念に準備を行い、余裕を持って実施時期を選択するためにも、早めの検討開始が必要不可欠です。もしM&Aを検討中でしたら、まずはオンデックまでご相談ください。