成約事例

規格外製品による取引停止を乗り越え、品質管理を強化した食品製造企業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
製造業
小売業
業種
食品製造販売
食品製造小売
M&Aの目的
事業の選択と集中
生産力強化
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

A社は老舗の食品製造企業で、天然素材から取る出汁を使用する点に特色があり、製法にこだわった商品は顧客から安定して高い評価を得ていた。

譲渡側の課題

A社は堅調に業績を伸ばしていたが、ある年、品質基準を満たさない規格外商品を出荷してしまった。その結果、最大の取引先C社との取引が一時停止となったのである。製造工程の見直しにより信頼回復に努めC社との取引は再開するものの、この事故の影響は品質管理に関する大きな課題感を残すことになった。グループ会社全体として、工場の管理体制が十分であるかどうかが継続的な懸念点となったのである。

オンデックとの出会い

A社の親会社であるB社のX社長は、現状の品質管理体制では同様の事態が再発するのではないかと危惧し、食品製造の経験が豊かな企業にA社を譲渡することを決意。そこで知人の弁護士に相談したところ、オンデックを紹介された。X社長はオンデックから、規格外商品の出荷による取引環境の悪化というネガティブ情報を、譲り受ける側へどのように伝えるべきかについて説明を受けた。譲り受ける側の視点に立った丁寧な提案を聞き、企業買収の経験もあったX社長はオンデックに相手探しを任せることを決断した。

買収側の概要

A社に関心を示した企業は複数あったが、X社長が最終的に選んだのは、給食弁当の製造販売業や企業内食堂の運営受託などを手掛けるD社であった。D社の売上は安定しており、更なる事業拡大の為、同業種のM&Aを検討していた。A社に関心を示した中には金額面ではD社より好条件の企業もあったが、X社長は食品製造管理について十分なノウハウを持つD社に譲渡を決意した。

課題解決・シナジー

課題感のあったA社の工場管理体制は、D社の持っている食品製造管理ノウハウにより強化された。また、A社の惣菜をD社の取引先である社員食堂・病院・老人施設に販売できるようになり販路も拡大。D社もまた、自社が経営する企業内食堂においてA社の惣菜を提供することで、調理スタッフの人件費削減に繋げることができた。

COMMENT
オンデックからのコメント

本件は、主要取引先との取引停止という事故をきっかけに自社の食品製造管理体制の弱さに気づいた社長の、自社グループ以上に成長を導ける企業にA社を譲渡したいという思いが結実した事例です。マイナスに捉えられることが過去に発生していても、課題とシナジー効果を明確にすることで、さらなる事業の発展へ導くことができます。本件はその好事例でした。