成約事例

病で気づいた後継者問題。シナジーを生む上場企業傘下に入った製造業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
製造業
製造業
業種
機械設計業
産業用機械製造業
M&Aの目的
後継者問題の解決、経営基盤の強化
人材獲得
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

創業から約30年以上、機械設計を主業務としていたA社は、半導体から食品まで多様な製造機械の分野において多くの設計実績を有していた。

 

機械設計の前工程であり、より難易度が高いとされる構想設計にも対応できる人材を多く抱え、その設計力は大手メーカーを中心とする顧客から高い評価を得ていた。結果、足元の業績も堅調に推移していた。

譲渡側の課題

機械設計・製造の市場全体は底堅く推移しており、設計者の人材ニーズは恒常的に強く、採用難易度は年々上がっていく傾向にあった。A社も例外ではなく人材採用は大きな課題の一つであった。より一層、新人技術者を採用していきたいところではあったが、経営基盤の脆弱さや知名度の低さなどから限界も感じていた。

 

またA社のX社長は、過去に大病を患い倒れた経験があった。病は快方に向かい、まだまだ事業意欲も旺盛であったため業務には復帰したものの、病をきっかけに、親族、社内に後継者がいないという問題も自覚することとなった。

オンデックとの出会い

X社長は、将来への備えという観点からM&Aを検討するに至った。知り合いの経営者に相談したところ、懇意にしているというオンデックを紹介された。

 

オンデックからの提案は、M&A後もX社長が健康に配慮した勤務体系が取れることや、中長期の勤務の継続と引き継ぎ期間を設けられることなどが譲渡条件に盛り込まれており、X社長の意向に沿った内容であった。結果、X社長はオンデックにお相手探しを任せることを決断した。

買収側の概要

大手機械メーカーおよび同業の機械設計会社から多数のオファーがあったが、X社長が最終的に選んだのは上場企業であるB社であった。

 

B社は、グループ子会社の精密機械の製造部門を中核に、設計人材サービス部門として技術者派遣、設計請負および製造派遣なども行っていた。豊富な資金力を背景にM&Aを積極的に進めており、技術者の教育・採用、また営業面でのシナジー効果が見込める機械設計会社を探していた。

課題解決・シナジー

上場会社B社の傘下となったことでA社は信用力を獲得し、採用面でも応募者が増加するなど、X社長が期待していた成果が得られた。加えて、B社との人材交流によって、大企業の持つ技術・営業ノウハウなどを吸収できたことにより、従業員の残業時間が削減されるなど労務面でも効率化が図れた。

 

一方、B社にとっては、A社の技術力・教育ノウハウを獲得できただけでなく、A社とB社とでは主要な営業エリアが異なっていたため、営業面でも相互に補完する効果が得られた。

COMMENT
オンデックからのコメント

誰しも健康不安は突然訪れるものです。代表者の能力に頼った経営の企業では、代表者の突然の死亡や病気・ケガによる長期の離脱により業績が急速に悪化、廃業を余儀なくされるケースもあります。

 

今回の事例では、X社長は大病を患ったことをきっかけに、後継者問題の重要性に気付かれ、早期に専門家に相談したことで課題を克服されました。

 

健康で業務に打ち込めている間にこそ、専門家へ相談し、納得のいくお相手探しを、余裕をもって行うことをお勧めします。