譲渡側の概要
和食居酒屋及び洋食店を複数営むA社。各店舗の立地もよく、デザイン性の高さが話題を集め、地場における知名度も高かった。A社のX社長は会社の持続的な成長を実現するため、経営資源を業績が好調な洋食店に集中させたいと考えていた。
譲渡側の課題
居酒屋の業績は長年黒字であるものの伸び悩んでおり、また設備の老朽化が進んでいたため、再投資すべきか否か悩んでいた。X社長は熟考の上、1店舗のみの運営に留まっていた居酒屋を譲渡することが、下記の効果を生み、ベストな判断であるという結論に至った。
≪事業譲渡の効果≫
»売却により新規出店資金の捻出が可能。
»残存事業である「洋食店」と近しい業態で新規出店を行うことにより、オペレーション面・人材面を統一することができ、既存収支の底上げが期待できる。
オンデックとの出会い
複数のM&Aアドバイザリー業者と面談するも、決め手にかけていたところ、経営者仲間からオンデックの紹介を受けた。オンデックは、飲食M&Aの実績が豊富で、報酬体系も取り組みやすいものであったことから、オンデックに任せることとした。実際に、オンデックから提示をうけた買収候補先より多数の反響があり、スムーズなマッチングを行うことができた。
買収側の概要
複数ある買手候補先の内、独占交渉に入ったのは、同業のB社であった。B社は、居酒屋FC店などを20店舗程運営していたが、譲渡対象店舗のあるエリアには店舗がなく、今後重点的に力を入れていきたい意向があった。
課題解決・シナジー
B社は、短期間で重点エリアに店舗を構えられたことに加え、譲渡対象店舗の従業員や顧客をそのまま承継することができた。また、B社は飲食事業とともにブライダル事業にも力を入れており、譲渡対象店舗を一部改装し、結婚式2次会需要を取り込めるようにするなど、既存事業との相乗効果を図った。本件M&Aにより、A社は資金捻出と既存収支の改善、B社は重点エリアへの出店と既存事業の拡大を実現させている。
スモールM&Aにおいて、「株式譲渡」と「事業譲渡」がよく使われる承継手法ですが、本件は、会社の一事業(本件の場合は1店舗)を切り出し、第三者へ譲渡する「事業譲渡」の手法をとりました。一般的に「事業譲渡」は「株式譲渡」に比べて手続きが煩雑になると言われています。なぜならば、様々な契約(賃貸借契約や雇用契約など)の再締結や許認可の再取得等が必要になるからです。案件毎に必要なタスクやその処理方法は違います。円滑な引継ぎを実現するためには、「専門家」によるタスク洗出しや進捗管理が有効です。本件においても、円滑な承継に気を遣い、プロジェクトを成功させたことで、A社・B社双方にご満足頂けた案件となりました。