成約事例

事業の成長を考え早期退任。「三方よし」の結果となった金属加工業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
製造業
製造業
M&Aの目的
経営基盤の強化
イグジット
事業の拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

A社は関西を中心に金属加工業を営み、産業機械や工場設備、建築構造物の製作・施工などを展開。配管工事や溶接加工も提供していた。加えて金属製品の製造も手掛けており、その製品の高い耐久性は顧客から高評価。優れた職人を多く抱えていることが、A社の強みであった。

さらに、設備故障などの緊急事態に対する24時間対応や、短納期での設備納入など、顧客の要望に応える体制を構築。技術力の高さと充実したサービスによって安定した受注を獲得し、高利益なビジネスモデルを確立していた。

譲渡側の課題

A社は経営基盤の脆弱性が課題であった。使用している製造機器が旧式で、最新の設備と比べて性能は低く、生産能力に限界があった。作業の進捗や原価の管理を作業担当者に一任するなど、内部統制も不十分であった。

そのような背景もあり、X社長は「コロナ禍で先行き不透明な中、会社を経営し続けるには自分では力不足ではないか」とA社の経営に不安を感じていた。また、20代で起業したX社長には、40代を迎えて「自分がやりたいことを見直す時間が欲しい」といった思いもあり、自身の進退について思い悩んでいた。

オンデックとの出会い

取引先の金融機関に相談していたX社長は、その中でM&Aについて知った。「体力がある企業のグループに入れば、A社の課題であった経営基盤の強化も解決できる」との思いから、金融機関にオンデックを紹介してもらった。

M&Aについて詳しく話を聞くと同時に、X社長は会社売却価格の簡易的な算出をオンデックに依頼。提示された価格が予想を上回っていたことや、M&AによってA社も成長できる可能性が高いことが決め手となり、M&Aに乗り出した。

買収側の概要

A社を買収したB社は、関西を中心に船舶の修理・点検を営んでいた。地元企業の漁船や輸送船のメンテナンスを担い、地域になくてはならない存在として150年以上にわたり営業してきた。

船舶市場の変動に備えてB社は事業の多角化を進めており、戦略的M&Aを検討していた。そうした中で、取引先の金融機関からA社の買収を提案された。「金属加工業であれば船舶修理とも親和性がある。グループ会社の船舶修繕会社にほど近い距離に拠点があるため、M&Aの相手として最適だ」と判断し、買収するに至った。

課題解決・シナジー

A社は、経営基盤が強化された。特に、マネジメント統制は劇的に改善され、業務の「見える化」によって生産性が向上した。早期退任を希望したX社長はB社の要望に応え、期限付きでA社に残った。しかし、「経営の重責から解放され、のびのび働きながら自身の今後について考えられる」と充実感を得られている。

対するB社はA社がグループインしたことで増益し、事業の多角化にも成功。戦略的M&Aの有効性を感じ、新たにM&Aを組み込んだ成長戦略を企画している。

COMMENT
オンデックからのコメント

経営者の中には「会社の命運を一身に背負う立場からひととき離れ、ゆっくりと自分の人生を見直したい」と考え、早期リタイアを望まれる方も少なくありません。
本件は、X社長がそんな望みを叶えただけでなく、A社とB社の成長にもつながった「三方よし」のM&Aとなりました。

オンデックでは、経営者が抱える多くの課題や悩みをM&Aを通じて解決してきた実績がございます。経営にお悩みなら、ぜひオンデックまでご相談ください。