成約事例

異分野の工事を行う企業へ譲渡。シナジー効果で課題を解決した建設業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
建設業
建設業
M&Aの目的
後継者問題の解決
経営基盤の強化
事業の拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

A社はプラント設備の工事・保守を営んでいた。設備の設計から工事までをワンストップで行うことで、競合他社よりも見積金額を抑えられることや顧客の要望に合わせた臨機応変な製造ができることが、A社の強みであった。

品質の高さや細やかな対応により大手企業からの信頼も厚く、優良な顧客層との長年にわたる取引が続いていた。従業員は10名以下だが、同業や他の建設業への外注をうまく活用することで、安定した利益を確保できる体制を構築していた。

譲渡側の課題

A社は後継者問題を抱えていた。X社長は70歳を過ぎていたが、親族内や社内には承継できる人材が見当たらなかった。

また、業務の属人化も課題であった。X社長は、経営だけなくプラントの設計・工事といった現場の実務も監督しており、X社長への依存を脱却して業務を標準化する必要があった。

オンデックとの出会い

X社長は地域の事業承継・引継ぎ支援センターでM&Aを知り、第三者への事業承継を決意。同センターからオンデックを紹介され、仲介を依頼した。

当初は同じプラント建設会社への譲渡を想定していたが、社内の責任者と検討を重ねた結果、「異なる分野の工事を手掛ける建設会社とM&Aした方が将来的なメリットがある」と判断。ビルやマンションなどを対象に幅広い工事を行うB社に譲渡することを決めた。

買収側の概要

B社は、建物の総合的な工事を行う建設会社。空調、消火、電気など各機械設備に加えて、ビルやマンションのリノベーション・リフォームなど多様な建設事業を展開していた。創業以来、多くの建設会社と取引があり、右肩上がりに成長し続けていた。

事業領域の拡大を図りたいB社は、プラントの工事分野への進出を検討しており、A社との連携に関心を持った。「A社を買収すれば、高い専門性を要するプラント設備工事の知見を得られ、自社で一から新規事業を立ち上げるよりも早く事業領域を拡大できる」と判断し、M&Aに踏み切った。

課題解決・シナジー

A社はB社から役員が派遣され、マネジメント体制が強化された。また、X社長指導のもと、業務がマニュアル化されて標準化も進んだ。さらに、B社の営業ネットワークを通じて、販路も拡大した。

一方でB社は、A社が持つプラント工事のノウハウを共有。新規事業参入への足がかりを築くことができた。

COMMENT
オンデックからのコメント

後継者問題の解決と合わせて、買収企業とのシナジー効果を求める経営者は少なくありません。本件では、同じ建設業ではあるものの異なる分野を取り扱う2社がグループとなったことで大きなシナジー効果が生まれ、両社にメリットのある結果となりました。

後継者問題のみならず、新規事業参入や既存事業の拡大など、多様な経営課題解決の手段としてもM&Aは大きな効果が期待できます。ご検討の際は、ぜひオンデックまでご相談ください。