譲渡側の概要
A社は顧客にエンジニアを派遣するソフトウェア受託開発事業を営んでいた。開発していたのは、主にIT系管理システムと機械製品への組み込みシステム。C言語からActionScriptまで多様なプログラミングに対応できる開発力が大手メーカーより評価され、安定した受注が獲得できていた。
譲渡側の課題
A社は後継者の不在が課題であった。X社長は高齢であったが、子息には承継の意思がなく、社内にも適任者が見当たらなかった。
また、マネジメント体制に不備があることも問題であった。特にISO(国際標準化機関)が定めた環境マネジメントへの対応が不十分であり、リスクマネジメントやコンプライアンス面に係る内部統制の整備が必要であったが、A社の現在の企業規模では対応が難しい状況であった。
オンデックとの出会い
X社長は、マネジメント体制の強化と後継者問題を解決する手段として、M&Aを検討。地域の事業承継・引継ぎ支援センターに相談した結果、「経営基盤のしっかりした企業に事業を承継することがベスト」との考えに至った。
X社長は、同センターから紹介されたオンデックに仲介を依頼した。買収の意向を示す複数の企業の中から、同業のB社に株式を譲渡。「A社の事業に最も理解が深かったこと」「安定した経営基盤を有していたこと」「A社とのM&Aに情熱的であったこと」が、譲渡先選定の決め手となった。
買収側の概要
B社では、WEBサイト構築やアプリケーション開発に加えて、基幹業務の管理システムやデータベースなどを受託開発。システムの企画・設計から運用・保守までをワンストップで提供していた。顧客の要望に応える手厚いサービスによって信頼関係を築き、400社を超える取引先を有していた。
将来的に株式上場を目指しているB社は、事業の拡大と、それに伴う開発案件の増加に対応できる体制の構築を志向していた。そんな折に、オンデックからA社のM&Aのオファーを受けた。「B社が強化したい機械製品への組み込みシステム開発が得意なこと」「優秀なエンジニアを有していること」を理由に、A社の買収を決定した。
課題解決・シナジー
X社長の了承を得たうえで、B社からA社に役員が派遣され経営陣が一新。マネジメント体制も見直され、内部統制が改善された。一方でB社は、開発体制にA社のエンジニアが加わることにより、当初の目的であった開発体制の拡充に成功。増加した案件に対応できる体制が構築できた。
互いが持つシステム開発のノウハウも共有され、新サービスの創出も見込まれている。
今日、企業のガナバンスは、よりいっそうの強化が求められています。ただ、企業によっては内部統制が不十分で、現実的に対応が難しいケースもあるでしょう。しかし、M&Aであれば、外部の力を借りることで短期間にマネジメント体制を整えることが可能です。A社は、内部統制が一気に改善され、憂いなく事業に専念できるようになりました。
オンデックでは、M&Aによって多様な経営課題を解決してきた実績がございます。M&Aをご検討中でしたら、ぜひお気軽にご相談ください。