成約事例

後継者問題を解決し、商材の共有で飛躍を遂げた卸売業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
卸売業
卸売業
M&Aの目的
後継者問題の解決
事業拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

A社は年商約4億円、従業員約10名の中小企業である。航海・漁労機器の輸入販売を営んでいる。世界トップクラスの漁労機器メーカーと、日本国内での独占販売契約を締結しており、漁獲を効率化するデジタル機材で国内トップクラスのシェアを誇っている。現在は特定の漁船のみへの導入となっているため、さらに販売台数を伸ばせる余地があった。
 

加えて、船上活動監視システムも販売しており、違法漁獲規制が強化されている流れを受け、監視システムの販売拡大も見込まれていた。事業の状態は非常に良好であった。

譲渡側の課題

A社の社長であるX氏は、高齢のため事業の承継を検討していた。X氏の息子は事業を継ぐ意思はなく、後継者候補として適格な人物も見つからなかった。様々な選択肢を検討した結果、第三者への譲渡を決断。確実に会社を継続していくには、M&Aが最も確実な手段だと考えた。

オンデックとの出会い

M&Aを決意したX氏は息子とともに、地域の事業承継・引継ぎ支援センターに相談。M&A仲介を専門とする会社を3社ほど紹介された。約半年以内での譲渡を希望条件とする中で、各社と面談。その際、オンデックは全体のスケジュールと候補先のリストを提示。さらに特徴的な商材や良好な財務状況を理由に挙げて「必ず成功します」と断言した。X氏はオンデックの言動に安心感を抱き、仲介を依頼することに決めた。

買収側の概要

譲り受けに名乗りを上げたB社は、船の資材を取り扱う専門商社。造船や海運に必要な資材を全般的に取り扱っており、特に救命具の整備は国内でトップクラスのシェアを獲得していた。事業は好調ではあったものの、造船業界の再編が進む中で、B社は将来を見据え新たな戦略(事業拡大)を立てていた。

B社が事業拡大にあたって目をつけたのは水産業界であった。昔から水産関連の資材を取り扱っていたこともあり、その販売強化を成長戦略の柱として打ち出したのである。そんな中、A社が取り扱うデジタル機材はB社にとっても魅力的な商材であったため、B社は強い関心を持ち、A社の買収に乗り出すことにした。

課題解決・シナジー

M&Aの結果、A社が販売独占契約していたデジタル機材をB社も取り扱えるようになった。漁業を営む既存顧客への販売だけでなく、B社は新規に営業活動を行い顧客を開拓することができた。さらに、B社が取引する船舶関係の既存顧客に、A社が持つ船上活動監視システムを提案できた。商材が増えたことで、売上の向上が期待されている。
 

一方で、A社は水産関係の既存顧客にB社の船具や救命器具などを提案し、関係を強化できた。さらに両社が持つ営業のノウハウや販路を共有することで、後継者問題の解決に留まらないより大きなシナジー効果も見込まれている。

COMMENT
オンデックからのコメント

経営者としては、自分がリタイアすることになっても、社員や取引先のことを考え、会社は何とか継続したいところ。しかし、後継者が見つからないようであれば、第三者への承継を考えなければなりません。第三者への承継にあたりM&Aは、非常に有効な選択肢となります。
 

本件は後継者問題を解決しただけでなく、事業のシナジー効果から、さらなる両社の発展も見込まれる好事例です。買収側企業にとっても、成長戦略を実現させる大きな一助となりました。