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M&Aガイド

【M&A即効解決FAQ】中小企業のM&Aとは?/事業承継手段としてのM&Aの特徴は?

M&A即効解決FAQ_中小企業M&A

この【M&A即効解決FAQ】では、中小企業のM&Aに関して過去弊社に寄せられたご相談やよくあるご質問に回答する形で解説していきます。
これを機に、皆様の会社の成長のツールとして、また場合によっては皆様の会社の事業承継の一つの選択肢として、M&Aをより身近に感じていただけると幸いです。

今回は「中小企業」という切り口からM&Aに関する2つの質問にお答えします。

【Q1】「M&A」というキーワードを目にする機会が多くなりましたが、中小企業間でも行われているのでしょうか?

一昔前まではM&Aは「大企業間に限られたもの」というイメージがあったかもしれませんが、近年クローズアップされている後継者問題を背景に、中小企業間のM&Aも急速に広がりを見せています。

中小企業庁も「2025年には日本企業全体の3分の1にあたる127万社の中小企業等に廃業のリスクがあり、約650万人の雇用が失われる可能性がある」としており、行政としてもこの後継者問題を重く受け止め、その対策に本腰を入れています。

具体的には、後継者問題を抱える企業のM&Aを支援することを目的として、中小企業庁主導で各都道府県に「事業引継ぎ支援センター」が設置され、平成29年度においては約700件のM&Aが成約しています。このような行政の後押しもあることから、今後、中小企業間のM&Aはますます盛んになるものと思われます。

【Q2】「親族内承継」や「従業員承継」に対し、「M&A」にはどのような特徴があるのでしょうか?

事業承継における各選択肢の特徴を[表1]にとりまとめました。

[表1]事業承継における各選択肢の特徴

※表は横スクロールが可能です

親族内承継

従業員承継
外部雇入による承継

M&A

メリット

  • 関係者から受け入れられ易い
  • 相続等により株式等を後継者に移転できるため、所有と経営の分離を回避できる可能性が高い
  • 会社の内外から広く適性候補者を求めることができる
  • 長期間勤務している従業員に承継する場合は、経営の一体性を保ちやすい
  • 広く外部に候補者を求めることができ、スピードがある
  • シナジーがあれば会社の更なる成長が期待できる
  • 株主が売却利益を獲得できる。

デメリット

  • 資質と意欲を併せ持った候補者がいるとは限らない
  • 相続人が複数いる場合、後継者の決定・経営権の集中が難しい
  • 株式取得等の資金力がない場合が多い
  • 個人債務保証の引継等に問題が多い
  • 希望条件(譲渡価額等)に合致する相手を見つけるのが難しい
  • 経営の一体性の維持や、社風の変化にかかるストレスが生じる

M&Aは、事業承継における非常に優れた解決策であることから、各選択肢を比較検討した上でM&Aを最良の選択と考えて弊社に相談に来られるお客様がいらっしゃいます。

その一方で、「親族に適任者がいない」「従業員承継にチャレンジしたものの個人保証を理由に断られた」といった経緯を経て、M&Aに方針転換されるお客様も少なくありません。

M&Aが事業承継における優れた解決策というものの、それは万能薬というわけではなく、表に記載したようなデメリットも少なからず存在します。これらのデメリットを解消して円滑なM&Aを実現するために、弊社のようなM&A支援の会社、コンサルタントが必要だと考えています。

弊社では、サポートさせていただく企業の事業規模を問いません。いわゆる小規模企業から中堅企業まで(年商数千万~数百億程度)、幅広い層の中小企業様に対して、積極的にM&Aの支援を行っています。私どもで何かお役に立てることがありましたら遠慮なくお気軽にお問い合わせください。

文=中井裕介(弊社コンサルタント)

※本記事は「経営情報誌 合理化 2019年新年号」(発行:一般社団法人 大阪府経営合理化協会)への弊社コンサルタント寄稿記事を再編集したものです。記載されている情報は掲載当時のものです