成約事例

従業員とその家族の将来を考え、事業承継を選択した土木業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
建設業
建設業
業種
とび・土工工事業
土木業
M&Aの目的
後継者問題の解決
事業エリア拡大
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

都市部に本社を構えるA社は、その地域での中堅企業。高品質な工事を実施できることが評価され、安定した売上を維持していた。またA社のX社長が従業員の待遇を良好に保つことに強くこだわっていたため、従業員のモチベーションが高く、長期在籍の従業員が多いこともA社の強みであった。

譲渡側の課題

本社においては従業員の意欲が高く離職率も低かったものの、業界的には新規採用と定着が難しい傾向にあった。そのため受注エリア増大のために新規展開した拠点では採用した人材が思うように定着せず、A社の事業拡大において大きな悩みとなっていた。さらにX社長は高齢であったことから、体の衰えだけでなく経営能力の衰えについても不安を拭いきれずにいた。従業員とその家族の将来を第一に考えたときに、自身がこのまま経営を続けて事業を維持・拡大させることは難しいと感じ、X社長はM&Aによる譲渡を検討し始めた。

オンデックとの出会い

X社長が、普段から懇意にしていた金融機関にM&Aを含めた会社の将来についての助言を求めたところオンデックを紹介された。X社長はオンデックに経営上の将来の懸念点を相談したところ、その対応が真摯であったことからオンデックを信頼し、M&Aによる譲渡を行うことを決断した。

買収側の概要

A社が譲受候補先の探索に向けた準備を進めているなか、A社の最大の取引先であるB社が買収の意向をA社に伝えていた。B社は土木分野について多くの実績があり、特定分野における技術が高く評価されていた。地方を基盤に主要な営業地域においては安定した受注を獲得していたが、都市部からの受注強化を企図し、新規拠点の設置なども含めて長期的に事業エリアの拡大を考えていたところであった。当初はB社からA社へ直接アプローチを行っていたが、双方がM&Aを円滑に行いたい意向であったため、オンデックの仲介によりM&Aを進めることとした。

課題解決・シナジー

M&Aの結果、A社は、取引先であるB社の傘下となることで技術者がより広い業務で活躍できるようになった。また、従業員の雇用や待遇の維持といったX社長の懸念点に対し、B社も技術者の重要性を理解し、技術者のモチベーションを保ったまま人材を獲得することを重要視していたことから、オンデックはその点について充分に配慮し円滑にM&Aを支援。結果、従業員の意欲を衰えさせることなく雇用を継続、待遇を維持・向上することに成功した。
 
さらにB社にとっては、都市部に拠点のあったA社を傘下に収めたことで、新規採用が難しい業界でありながら意欲と能力のある技術者を都市部で獲得できたため、企図していた事業エリア拡大をスピーディに実現でき、売上を増加させることにも繋がった。

COMMENT
オンデックからのコメント

本件は、技術者の人材確保において、双方の課題を解決しつつシナジーを生む好事例となりました。譲渡側企業の従業員が、買収後においても良い雇用関係を継続するためには、従業員への充分な配慮が欠かせません。本件では、相乗効果を生むために双方が従業員に対して惜しみなく配慮されていた点と、買収側企業が円滑なM&Aを行うためにM&A仲介業者に依頼を行った点が成功の鍵となりました。買収側企業の「人や技術はお金だけでは確保できない」という言葉が強く印象に残ります。
 
後継者問題を抱え、従業員の将来に不安のある場合には、事業承継は有効な選択肢のひとつです。悩まれている場合には、まずは一度、公的機関やオンデックをはじめとするM&A支援会社にご相談ください。