成約事例

社内体制強化と後継者問題の解決を。取引先企業に承継した製造業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
製造業
製造業
業種
試料作製用機器製造業
金属工作機械製造業
M&Aの目的
後継者問題の解決、経営基盤の強化
生産力強化
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

A社は試料作製用機器メーカーであり、長年の納入実績により顧客からの信頼も厚く200社以上の取引先を有していた。良好な顧客基盤から、毎期安定した売上を確保し、財務状態も極めて健全な企業であった。

譲渡側の課題

事業は順調である一方で、A社のX社長は後継者問題に悩んでいた。一時は親族内承継または従業員への承継を考えていたが、親族に経営者としての苦労をかけさせたくない思いと、職人気質の従業員に経営を引き継がせることは難しいとの判断から、親族内承継・従業員承継を断念し、将来を苦慮していた。
 
また、長年A社に従事していた電気技術に詳しい従業員が退職して以降、当該分野に長けた人材が確保できておらず、社内体制にも不安を抱えていた。

オンデックとの出会い

第三者への事業承継を検討するのであれば、古くから付き合いがあり、信頼できる相手がよいと考えたX社長は、取引先B社に対して事業承継の相談を持ちかけた。当事者間である程度の条件のすり合わせはできていたが、A社メインバンクの子会社にあたるコンサルティング会社から、「譲渡後のトラブルを避けるため、専門業者を仲介に入れたほうがよい」と勧められ、オンデックの紹介を受けた。本件M&Aは、X社長にとって、人生に一度あるかないかの重要な取引であり失敗はしたくないという思いから、オンデックに仲介を依頼することを決めた。

買収側の概要

B社は創業約50年の産業用機械の設計・製造会社であり、A社ブランド機器のOEMを受託していた。B社の年間売上の約10%がA社からのOEM受託によるものであり、B社にとってA社は主要取引先の一社であった。
 
B社の製造機器は、ある製品の製造工程の一部にのみに使用されるものであったが、顧客要望からその隣接工程にも対応可能な機械製造を手掛ける必要性を感じていた。

課題解決・シナジー

A社は、B社のグループ企業となることで後継者問題の解決に加えB社技術者から電気技術関連の助言を受けることが可能となり、退職した従業員のポジションにあたる人員を補完することで社内体制の強化に繋がった。一方でB社も、A社製品が販売ラインナップに加わることで、幅広い顧客ニーズに対応することが可能となり、売上の増加に繋がった。

COMMENT
オンデックからのコメント

一般に中小企業のM&Aでは、情報漏洩の観点から取引先同士のマッチングは敬遠されるものですが、X社長は信頼できるB社とのM&Aを強く希望されました。弊社によるサポート開始時点で、すでに両社間の信頼関係は盤石であったことから、スムーズにクロージングを迎えることができました。
 
なお、取引先とのM&Aを計画される際には、当事者間で調整を進める前にM&A支援会社へのご相談をお勧めします。M&Aでは法的な対応や公的な許認可の引き継ぎにあたって専門知識が要求され、ちょっとした不備でM&Aが失敗になることもあり得ます。また当事者間の直接交渉によって、金額等の条件が譲渡側・譲受側どちらか一方に過度に有利な契約となってしまっているケースも見受けられます。M&A支援会社は、M&Aに関する経験とノウハウを有し、中立的な立場で調整を進めていきますので、双方円満にM&Aを行うことが可能です。