成約事例

好調事業を敢えて売却。関連分野への拡大を目指す企業とマッチングした人材派遣業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
人材派遣業
人材派遣業
売上
約3億円
約6億円
M&Aの目的
事業の選択と集中
人材獲得、新規事業進出
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

将来を見据えた「選択と集中」の判断
X社長は、複数の事業会社を運営する経営者であった。グループの一社であるA社は、特定業種に特化した人材派遣・請負事業を行っており、業績は順調で今後も十分に成長を見込める事業であった。また特定市場においては先駆者と言え、そのノウハウと将来性は十分に評価に値するものだった。

譲渡側の課題

しかし、A社の事業分野は、グループの中核会社とは事業分野が異なり、経営資源が効率的に活用しきれていない事も事実であった。X社長は、考え抜いた末、敢えて好調なA社を売却し、中核事業に経営資源を集中させる事を選択した。グループ全体の将来は勿論、A社に従事する従業員らの将来にとっても、それがベストであるとの判断であった。

オンデックとの出会い

以前経営者の紹介により取引のあったオンデックに相談。(なお元々A社は買手としてM&A情報の提供を受けていた。)オンデックが譲渡候補先探索を開始すると、非常に数多くの企業からの反響があった。また収益力の高いA社には各社から好条件が提示された。

買収側の概要

ニッチ市場に特化した事業ノウハウの魅力
多数の候補先の中から、最も好条件であったB社と独占交渉に入った。B社は同業の人材派遣会社であるが、これまでは製造業に特化していた。

課題解決・シナジー

好条件で「時間を買う」意義
人材派遣業界は、規制強化が進む状況下にあり、B社は事業リスク低減のため製造業以外の市場への水平拡大を検討していたが、同じ人材派遣業界といえども一から他市場へ参入するには多大な労力と時間を有していた。規模は小さくとも特定市場のノウハウ、顧客、将来性を有するA社の買収は「時間を買う」という意味でも非常に有意義なM&Aとなった。なお基本合意後に行われた買収監査では、法務・税務面で幾つかの課題が浮上した。中小・小規模M&Aでは、対象会社の税務上の問題などが確認された場合、些細な問題が必要以上にクローズアップされて、双方が大局を見失ってしまう事が非常に多い。いわゆる「木を見て森を見ず」という状態に陥ってしまいがちだ。しかし、本件においては、A社・B社の両社長の適切でスピーディな決断によって、そうした心配は全く不要であった。課題はひとつひとつクリアされていき、終わってみれば、トップ面談からわずか1ヵ月強という短期間で、A社の株式譲渡がクロージングされた。

COMMENT
オンデックからのコメント

中小・小規模M&Aは、後継者問題や将来不安など、受身の考えからスタートする傾向があります。しかし本件は、将来性が十分に見込める好調事業を、「選択と集中」により、敢えて主体的に売却に踏み切った事例です。譲渡対象となったA社は、M&A後も順調に業績を伸ばしており、B社グループの収益の一端を担っています。X社長の企業グループは、M&A後に中核事業に経営資源を集中し業績を伸ばしており、現在は中核事業及びその隣接業種において買手の立場でM&Aを積極検討しています。