譲渡側の概要
A社は、住宅関連資材を販売する創業約70年の商社。複数のメーカーや商社との長年の取引があり、信頼関係を構築していたことから、様々な顧客ニーズに対応できる体制を築いていた。
国内主要都市に拠点を持ち、全国各地のホームセンターや商社を顧客としていた。
譲渡側の課題
旧来のルート営業だけを行っていたA社は得意先の廃業などにより売上は停滞傾向にあった。
一方、国内EC市場における資材販売は拡大基調にあり、A社もECサイトを利用した販売網の拡大も検討したが、社内に対応できる人材はおらず、EC市場への参入を断念せざるを得なかった。
オンデックとの出会い
以前よりM&Aによる事業の承継に関心があり、一度、金融機関に相談したこともあった。当時から業績は停滞傾向にあったが、X社長としては自力で業績を向上させてからM&Aを実行しようと考えていた。
しかし、業績向上のための対応ができないまま時間は経っていった。そのようなときに、別の金融機関を通じてオンデックを紹介された。
オンデックからは、M&Aによる発展的事業承継の可能性について熱意のある説明を受け、事業承継と同時に業績の向上にも希望を持てるようになった。
買収側の概要
オンデックから複数の譲受候補企業を紹介されたが、最終候補先となったのは、最もシナジーが見込まれるB社であった。
B社は産業用資材の卸売業者。A社と同じ商社ではあったが、ECサービスへの対応も行っており、売上は増加傾向で、拠点の拡大を進めていた。
課題解決・シナジー
B社の傘下となったA社は、B社のECサイトにA社の商品を掲載することができ、販売チャネルが拡大された。
また、B社にとっては、A社が有する各地の拠点を有効活用し、顧客へのアクセスのスピードを高めることができるようになった。
経営には時代の流れに応じた戦略が必要です。A社はECサービスへの対応の遅れもあり、業績は停滞傾向にありました。M&Aの買収企業の中には、旧来の経営資源を持つ中小企業について、様々な視点から価値を見出す企業が存在します。中小企業の経営戦略として、「中堅成長企業への傘下入り」は有効な選択肢の一つです。本件はその好事例でした。