隣接業種への譲渡で経営基盤強化に成功した内装工事業のM&A

A社は店舗内装工事に強みをもつ会社であった。自社営業人員での物件開発と一気通貫での出店サポートを積極的に行っており、顧客から一定の評価を獲得していた。

X社長は高齢かつ後継者となる親族もおらず、後継者問題がX社長の頭を悩ます種となっていた。また、人手不足の影響から現場は手一杯となっており、新規・既存取引先問わず、依頼案件を断るといった機会損失の状況に陥っていた。

課題解決のため商工会議所へ相談したところ、経験豊富なコンサルタントが在籍するオンデックを紹介された。複数回面談を重ね、M＆Aに対する不安が解消されたところで、オンデックにM＆A仲介を依頼するに至った。

オンデックから複数の買収候補先が提示されたが、独占交渉に入ったのは、多店舗展開企業に対して各種コンサルティングサービスを提供するB社であった。B社は、人材育成、コスト適正化、店舗企画開発をはじめとする様々なコンサルティングをワンストップで行えることが事業上の強みであったが、店舗内装工事だけは提携企業への紹介や外注にて対応していた。

A社は資本力あるB社の傘下に入り、企業ブランドが向上したことで採用活動が円滑になった。人手不足が解消されたこと、B社の営業ネットワークを獲得したことから、A社売上高は譲渡前と比べて約3倍に拡大した。加えて、B社は人材への投資を積極的に行う企業であったことから、A社従業員の待遇面も改善された。一方B社は事業領域の拡大と既存取引先との取引拡充に成功した。