成約事例

後継者不在企業の承継により事業エリアを拡大させた建設業のM&A

譲渡企業
買収企業
業界
建設業
建設業
業種
建設工事業
建設工事業
売上
約1億円
約25億円
M&Aの目的
後継者問題の解決
事業エリア拡大、人材獲得
※ 顧客の匿名性を担保するために、一部の事実情報を編集しています

譲渡側の概要

従業員の雇用確保のため、M&Aによる承継を選択
建設工事業を営むA社は年商1億程の小規模企業であったが、自己資本比率は90%を超え、非常に堅調な会社であった。A社を創業したX社長は、職人出の真面目な人柄で、A社の細やかな仕事ぶりは、周囲からも高い評価を得ていた。近年は商圏の拡大により、売上は底堅く推移しており、小幅ながら増加傾向にあった。

譲渡側の課題

しかし、X社長も60歳を超え、体調不安を抱えるようになってきたため、後継者についての方針を固める必要に迫られていた。X社長には息子がいたが、既に大手企業に就職しており、A社を継ぐ意思はない。一人の従業員を後継候補に挙げ、後継者として育成した時期もあったが、職人としての技術は高いものの、経営を委ねるには不安があった。従業員は5名と小所帯であったが、彼らを路頭に迷わせるわけにはいかない。思案の末、経営を安心して任せられる第三者への承継、つまりM&Aを検討することにした。

オンデックとの出会い

当社のような小規模の会社がM&Aできるのかという不安もあったが、インターネットで小規模M&Aにおいて実績の多いオンデックを発見、数回の無料相談を経て、M&Aを決断した。

買収側の概要

空白の営業エリアをM&Aで補完
譲渡先となったのは、建設工事業を営むB社であった。B社はA社と比較すると規模の大きい同業者で、営業エリアも広範囲に渡っていたが、A社の所在エリアは十分にカバーできていなかった。またB社は、今後の業界動向を鑑み、同業又は隣接業種との連携・M&Aにより生き残りを図る事が重要と考えていた。優秀な職人を抱え堅調な運営を続けるA社との統合は、営業エリアの空白を埋めるのにこれ以上ない選択肢であった。

課題解決・シナジー

人間を大切にするスタンスで一致したトップの想い
両社は企業規模が異なるため、様々の面で企業風土に違いがあった。経営に対する方針だけでなく、社内の情報管理や規程関係のあり方などに大きな相違があり、当初は双方の折り合いは難しいと思われる局面もあった。しかし、最終的な合意の決め手となったのは、人材を大切にすることに最も重きをおくという共通の姿勢・想いであった。この一点が一致したことで双方の不安は一気に払拭され、本件の成就に至る事になった。M&A実行後、A社はB社から役員を迎え入れ、従業員らは変わらず仕事に打ち込んでいる。将来的には、A社とB社間で人員交流を行い、新たなキャリアアップの道を創っていく方針とのことである。

COMMENT
オンデックからのコメント

中小・小規模企業のM&Aにおいては、「トップ同士の肌合い」が想像以上に重要なファクターです。合理性では割り切れない感情や、人としての信頼関係が、成否を大きく左右します。それは単にM&Aが成立するか否かという点だけでなく、M&A実行後の経営に大きな影響を及ぼします。経営者には当然にそれぞれの考えやこだわりがあるものですが、最も根底にある想いが一致したことが、この事案の最大のポイントでありました。